チューダーとロレックスの違いを徹底解説。品質、価格、選び方について

2026/07/22
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世界で最も有名な時計ブランドとされるロレックス。その弟分として知られるチューダーは、ロレックスによく似たデザインながらリーズナブルな価格で手に入れることができます。しかし、デザインが似ているだけに、どう選んだらよいか迷う方も少なくありません。この記事では品質、価格、選び方について、時計初心者の方にもわかりやすく解説します。

チューダーとロレックスの成り立ちと現在

ロレックスとチューダーは、歴史的に非常に深い繋がりを持つ「兄弟ブランド」です。まずは、両ブランドがどのように歩んできたのかを紐解いていきます。

・ロレックスの歴史

ロレックスは1905年、創立者のハンス・ウィルスドルフが24歳のときにロンドンで創業しました。当時、腕時計の性能は決して良いものではありませんでしたが、彼は腕時計がエレガントなものになると、予見していました。

ロレックスはムーブメントの品質向上に注力し、精度を高めることがロレックスを成功へ導くと信じていました。1910年にはロレックスの時計は腕時計として初めてスイスクロノメーターの公式証明書を獲得しました。

その後スイスのジュネーブに本社を移し、1926年に世界初の防水腕時計「オイスター」1931年にはロレックスは世界初となる自動巻機構であるパーペチュアルローターを開発し、特許を取得しました。この他にも、時計史に残る革新的な技術を次々と開発し、今日の多くの時計に搭載されている機構の原点になったとされています。

・チューダーの歴史

ロレックスの創立者ハンス・ウィルスドルフは、「ロレックスよりも手頃な価格で販売できる時計でありながら、ロレックスが誇る信頼性の基準を満たす時計を作るというアイデアを温めてきました。そこで、この新しい時計の製造と販売を目的とした別会社を設立することにしました。」と語っています。そうして1926年にチューダーはロレックスのディフュージョンブランド(普及板のブランド)として生まれました。

ブランド名はイギリスの名門「チューダー家」にちなんで名付けられ、初期のロゴには同家の紋章である薔薇が採用されていました。

・かつてはロレックスの部品を流用していた

創業当時のチューダーの最大の特徴は、ロレックスの信頼性を安価に提供することにありました。コストを抑えるためにムーブメントにはETA社製を採用する一方で、ケースやリューズ、裏蓋といった外装パーツにはロレックスと共通の部品を流用していました。これにより、ロレックス譲りの防水性能(オイスターケース)を備えながら、価格を大幅に抑えることを実現しました。

・現在はマニュファクチュールブランドとして一貫生産

かつてはロレックスの背中を追う存在だったチューダーですが、現在ではその立ち位置が大きく変化しています。2015年には初の自社製ムーブメントを発表し、ロレックスとは異なる独自の技術路線を歩み始めました。

2023年には、スイスのル・ロックルにマニュファクチュール工場を建てました。職人のノウハウと最高レベルの生産管理および自動検査システムを結集した最先端の技術を詰め込んでいます。ロレックスの部品流用ではなく、独自の世界観と生産体制を確立した独立したマニュファクチュールブランドへと進化を遂げたのです。

スイスル・ロックルは他にもゼニスやユリス・ナルダンが拠点を置く、歴史ある時計ブランドにとって重要な場所で、ラ・ショー・ド・フォンと同様に時計製造の街として知られています。

チューダーとロレックスの違い

兄弟ブランドとされる両社ですが、素材・ムーブメント・価格の面で明確な違いがあります。要素ごとに解説します。

・アイコン(ロゴとデザイン)

ロレックスを代表する 王冠のロゴは「コロネット」という正式名称があると言われています。英語で 「little crown(小さな王冠)」 、紋章や冠の一種で、デザイン用語の一つです。コレクターや専門誌でもロレックス・コロネットと呼んでいるとされています。

チューダーはイギリスのチューダー朝にちなんで名付けられたのもあって、かつては薔薇を採用していました。これまでに4度ロゴを変更しており、現在では盾のロゴが使われています。

ロゴ以外にも時針の先端が四角いスノーフレーク針(通称:イカ針)は、ロレックスにはないチューダー独自のアイコン的なデザインです。ダイバーズコレクションであるブラックベイやペラゴスに主に採用されています。

・素材

ロレックスは1985年以来、ロレックスのために製造されているグレード904Lの高性能スチール「オイスタースチール」を採用しています。クロムとモリブデンを豊富に含み、耐衝撃性と耐食性に優れるだけではなく、機械加工前に顕微鏡による検査と不純物の除去を徹底しています。これによって強度の向上や、他にはない輝きを見せています。

一方、チューダーは 一般的には「サージカルステンレス(316Lスチール)」を使用しており、高い耐久性と実用性を両立しています。また、ダイバーズモデル「ペラゴス」では、軽量で錆に強いチタニウムを採用するなど、用途に合わせた素材選びが特徴です。

・ムーブメント

ロレックスは特に自社製ムーブメントへのこだわりが強いブランドで、2000年までは一部のモデルは他社製ムーブメントに独自のチューニングを行うものでしたが、現在では全て自社開発の最高精度ムーブメントを搭載しています。

チューダーは、製造コストを下げるためにETA社製の汎用ムーブメントを搭載するのが主流でした。チューダーが低価格での提供を実現できたのは、ムーブメントによるものが大きいとされています。とはいえ、世界的に普及しているETA社製のムーブメントなので信頼性が高く、決して品質が悪いものではありません。

現在では、関連会社のケニッシ社を通じて開発された自社製ムーブメントを主に搭載しています。約70時間のロングパワーリザーブや、磁気に強いシリコン製ひげぜんまいを採用するなど、実用面ではロレックスに匹敵する高性能を誇ります。また、一部のモデルではスイスクロノメーター認定を受けています。

・価格

ロレックス: 正規価格でも100万円を超えるモデルがほとんどで、中古市場では定価を上回るプレミア価格がつくことも珍しくありません。

チューダー: ロレックスと同等の品質管理基準を持ちながら、30万円台から購入可能なモデルが多く、(2026年前半時点)非常に高いコストパフォーマンスを実現しています。

チューダーの選び方:シリーズごとに解説

チューダーには、ロレックスの系譜を受け継ぎながらも独自の個性を持つ魅力的なシリーズが揃っています。

・ブラックベイ シリーズ

チューダーの魅力を最も体現しているフラッグシップコレクションです。

特徴: 1950年代から60年代のダイバーズウォッチに着想を得たレトロなデザインが特徴で、象徴的な意匠を継承しています。 ロレックスのサブマリーナーやGMTマスターに相当するスタイルですが、リベットブレスレットやファブリックストラップなど、幅広い楽しみ方ができます。

・ペラゴス

過酷なコンディションでも堅牢な信頼性と精度を保証する冒険の象徴となる本格派ツールウォッチです。

特徴: ケースとブレスレットの素材にチタニウムを採用し、驚くほどの軽さを実現しています。防水性はモデルによって200m〜1,000mと分かれており、ペラゴス39のように日常使いを想定したモデルから、ペラゴスウルトラのように本格派ダイバーズウォッチとして開発されたモデルが展開されています。

ロレックスのシードゥエラーに近いスペックを持ちながら、チタン独特のマットな質感や独自の調整バックルなど、より実用的な道具としての側面が強調されています。

・ロイヤル

時代を超えて愛されるラグジュアリースポーツウォッチコレクションです。

特徴:溝加工とポリッシュ仕上げが交互に施されたノッチドベゼルがスポーティーでエレガントな世界観を演出しています。ケースサイズは30mm、36mm、40mm、文字盤のカラーバリエーションが豊富で、ロレックスオイスターパーペチュアルのように日付表示を追加したデイト、曜日表示も追加したデイデイトモデルも展開されています。

・1926

創業の年にちなんで名付けられた、タイムレスでエレガントなドレスウォッチです。

特徴: 浮き彫り模様が施されたドーム型ダイアルが特徴で、ビジネスからフォーマルまで幅広く対応します。 ロレックスデイトジャストのような普遍的な美しさを持ちつつ、よりシンプルで控えめな高級感が楽しめます。

<H3>・レンジャー

歴史の中で確立されたデザインを残しつつ、最先端の技術を搭載している探検時計です。

特徴: 3・6・9・12の数字が並んだ高い視認性を誇るダイアルと、無駄を削ぎ落とした質実剛健なデザインが魅力です。 ロレックスのエクスプローラーの兄弟分といえるシンプルなデザインは、タフな環境で日常使いしたい方に最適です。

・クロノタイム

かつて生産されていた、チューダーを代表するクロノグラフ(ストップウォッチ機能付き)モデルです。

特徴:ヴィンテージ市場では、厚みのあるケースからカマボコケースの愛称で親しまれたモデルなど、人気が衰えていません。 ロレックスのコスモグラフデイトナを彷彿とさせるスポーティな外観を持ちますが、日付表示を備えるなど独自の実用性があります。現在はブラックベイクロノがその精神を引き継いでいます。

まとめ

チューダーはロレックスの弟分として生まれました。しかし現在では、単なる廉価版という枠を完全に飛び越え、独自の路線を進むマニュファクチュールブランドとして、新しい技術やデザインの開発を続けています。ロレックス譲りの信頼性と、チューダーにしかない遊び心のあるデザイン、そして何より手に取りやすい価格設定が魅力です。

ブラックベイやペラゴスといった人気シリーズを筆頭に、レンジャーやクロノタイムといったクラシックなモデルまで、チューダーは時計を持つ喜びをより深く、そして身近に感じさせてくれるブランドです。ロレックスとはまた違った自分らしい一本を探している方にとって、チューダーは最高の選択肢となるでしょう。

この記事の監修者
市川

市川 雄麻

リユース業界で15年以上査定業務に携わり、1万件以上のブランド品・ジュエリー・時計・古着など幅広いジャンルの査定を経験。
市場相場や商品の状態、流通状況などを踏まえた査定を心がけており、買取に関する情報の監修も行っている。

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