切手収集は長らく多くの方の趣味として親しまれてきました。
そのなかで、切手を「バラ」として一枚ずつ集めるのか、それとも「シート」のまま保持するのか、選択に迷うことは少なくありません。
使っていない切手の買取を依頼する際、バラかシートのどちらがより高い価格で買い取られるのか気になるところでしょう。
本記事では、切手シートについての解説や買取の相場、そして買取に際しての注意点や流れを詳しく解説していきます。
切手買取に関心がある方は、ぜひ参考にしてください。
切手シートとは?
切手シートとは、通常、郵便局で販売される際に一枚の大きな紙に複数枚の切手が整列して印刷されている状態のことを指します。
個々の切手を「バラ」と呼ぶのに対し、これらがまとまった形で提供されるものが「シート」です。
切手シートの魅力は、デザインの一部が切手同士の間や余白部分にも印刷している点でしょう。
そのため、バラの切手とは異なる、全体的な美しさや統一感が楽しめます。
貴重な切手がシートの形で保管されている場合、その価値は高まることが一般的です。
たとえば、昭和の初期に発行された「昭和立太子札切手」の10銭切手は、シートの状態で未使用ならば、特に高値での買取が期待できるでしょう。
また、記念切手や特別なデザインの切手がシートのままであれば、バラよりも買取価格が高くなる傾向にあります。
切手シートはそのままの状態での保存やコレクションが推奨され、特定のデザインや時期のものは、バラよりも高値で買取されることが多い傾向にあります。
切手シートの買取相場
切手シートの買取相場は、その発行時期によって、デザイン、保存状態、希少性など多岐にわたる要因によって変動することが一般的です。
近年、特に希少なデザインや限定発行された切手シートは、コレクター間での需要が高まり、価格も上昇傾向にあります。
以下では、一般的な普通切手(84円)のバラやシートの買取相場についてまとめていますので、参考にしてください。
買取率 | 買取価格 | |
普通切手バラ買取額 | 50%~60%程度 | 40.2円~50.4円程度 |
普通切手シート買取額 | 78%~87%程度 | 6500円~7300円程度 |
※普通切手シートは一般的な100枚シートにて算出
いずれの買取に関しても、切手の状態は非常に重要な要素です。
シミや折れ、破れがない、きれいな状態であればより高い買取額になるでしょう。
買取相場は流動的となるため、買取専門業者のHPなどを確認し、最新の情報をチェックしましょう。
切手シートを買取に出す際の注意点
切手シートを買取に出すとき、シートの完全性や保存状態がその価値を大きく左右します。特に、シートを「バラ」に分けないことや、余白の部分を切り取らないことがポイントです。
以下ではそれぞれの注意点について詳しく解説します。
バラにしないように保管する
切手シートを購入した後、数枚使用をした状態で買取に持ち込むと「バラ」として扱われ、バラの買取額となります。
切手をコレクションとしての価値を最大限に高めるためには、シート状態での保存が不可欠です。
切手シートは、その配置やデザインの完全性、そして希少性からコレクターや専門家の間で高く評価される傾向があります。
また、シートとしての保存は、発行時の歴史的背景や文化的背景も伝えることができるため、歴史的な価値も高いでしょう。
シート周りの余白を切り取らない
切手シートの周囲に存在する余白部分は、コレクターや専門家にとって、切手シートの価値や真正性を判断する際のキーとなる部分です。
余白は、切手が印刷された際の製造情報や、ときには特別なマークや番号が記されていることがあり、シートの希少性や特徴を示す重要な要素となります。
保管に邪魔だからといった理由で余白を無闇に切り取ることは、シートの市場価値が大きく低下する恐れがあります。
切手シートの価値を保つためには、余白を切り取ることなく、丁寧に保存することが必須です。
特に、古い年代の切手シートや限定版のシートの場合、余白部分が持つ情報は、そのシートの出自や希少価値を証明する証拠となることも少なくありません。
そのため、買取を検討する際は、余白の扱いに注意してください。
切手シートを買取してもらう流れとは?
切手シートの買取は、その希少性や状態によって価格が大きく変動するため、適切な買取先を選ぶことが非常に重要です。
通常、切手シートの買取にはいくつかの方法があります。
郵便局、専門の切手買取業者、金券ショップ、そしてネットオークションがその代表的な方法です。
以下では、各買取方法の流れについて詳しく解説します。
郵便局
郵便局では切手の現金買取は行っていませんが、未使用の切手を以下のものと交換するサービスを提供しています。
- 同額の普通切手
- 郵便はがき
- 郵便書簡
- 特定封筒(レターパック・スマートレター)
未使用の切手と同額の封筒と交換できますが、切手を現金に交換することはできませんので、ご注意ください。
切手買取業者
切手買取業者は、専門的な知識を持ったスタッフが在籍していることが多く、希少価値の高い切手や古い切手の評価・買取に強みを持っています。
そのため、国内外の市場価値をよく知っており、高価な買取が期待できることもあります。
買取の流れは、下記のとおりです。
- 業者の店舗やウェブサイトで無料査定を申し込む
- 切手の状態確認のため、写真のアップロードなどを行う
- 仮の査定額定後、実物を送付し本査定を行う
- 提示された買取価格に納得すれば、その場で取引成立
- 現金や銀行振込で支払い
無料査定では、持ち込み査定や宅配査定、出張査定など、複数の査定方法が選べるケースがほとんどです。
業者によっては相場よりも低い価格を提示することもあるため、信頼性や実績のある業者を選びましょう。おすすめは複数の業者で査定を受け、よい条件の業者に買取を依頼することです。
金券ショップ
金券ショップは、切手の買取だけでなく、商品券やギフトカード、各種チケットなども取り扱っている業者です。
なかには切手シートを特に高価買取する店舗も存在し、簡易な査定を行い、スピーディに現金化ができます。
買取の流れは、下記のとおりです。
- 業者の店舗やウェブサイトで無料査定を申し込む
- 写真のアップロードなどを行う(切手の状態確認のため)
- 仮の査定額定後、実物を送付し本査定を行う
- 提示された買取価格に納得すれば、その場で取引成立
- 現金や銀行振込で支払い
金券ショップも時代の変化とともにサービスのデジタル化を進めています。ネットを利用した無料査定サービスは、物理的な店舗へ足を運ばなくても、持っている切手の価値をある程度知ることができる便利な手段です。
しかし、金券ショップの特性上、特定の切手や希少な切手に対する詳しい知識は持ち合わせていないことが多いため、市場価値よりも低めの価格が提示されることも考えられます。そのため、高額な切手や希少価値のある切手を売却する際は、切手買取専門業者と比較して最適な選択をすると良いでしょう。
ネットオークション
ネットオークションは、自分で切手シートの価値を市場に委ねて売却する手段の一つです。近年、多くの方がオンラインオークションを利用しているため、高値で取引されるチャンスも増えています。
具体的な手順は以下のとおりです
- ネットオークションのアカウントを作成
- 商品の登録(詳細や状態、複数枚の写真をアップロードするなど)
- 指定の期日まで待つ
- 最高額を付けた落札者に商品の発送
- 取引終了後、オークションサイトより落札額の入金
ネットオークションでは、オークション期間中に質問が寄せられることもありますので、迅速かつ正確に回答することが求められます。
また、落札後は商品の発送や、取引の手続きを遅滞なく進めなければなりません。
ネットオークションでは、市場価格に左右されるため、高値での売却も期待できます。しかし、手数料(落札額の数%)や発送費などのコストも発生しますので、その点を考慮した上での利用が推奨されます。
まとめ
切手シートの買取にはさまざまな方法が存在しますが、その前にシートの保管状態が大きく影響することを理解することが重要です。
また、買取の場所や方法によっても、取得できる金額や手間が変わってきます。
専門の切手買取業者や金券ショップでは、専門知識を持ったスタッフが査定を行い、適正な価格を提示してくれるでしょう。
一方、ネットオークションは少し手間はかかりますが、市場価格での取引が期待できるため、高価買取のチャンスもあります。
複数の業者に査定を依頼し、よい条件で買取をしてくれる業者に依頼をしましょう。