着物買取は便利ですが、トラブルもつきものです。思い入れのある着物を思い切って買取に出すのに、トラブルには巻き込まれたくないですよね。悪徳な着物買取業者にあたると大きく損してしまう可能性もあるため、トラブルに巻き込まれない方法を知っておきましょう。
今回は、着物買取のトラブル事例や悪徳業者の特徴、トラブルを避ける方法についてご紹介します。簡単にできるトラブル回避方法も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
着物買取の悪質なトラブル事例と対処法
着物買取では、さまざまなトラブルが発生しているのが現状です。そのようなトラブルに遭わないためにも、事例や対処法を知っておきましょう。
ここでは、着物買取でありがちな悪質なトラブル事例を6つご紹介します。
- 訪問・出張買取での「押し買い」
- 着物以外も買い取られる「抱き合わせ買取」
- 査定額が安すぎる「買い叩き」
- 出張費・キャンセル料などの「費用請求」
- 宅配買取で起きがちな「商品の扱い」
- 振り込みがされない「持ち逃げ」
訪問・出張買取での「押し買い」
訪問・出張買取は、トラブルが起きやすいです。一部の悪質な業者は、訪問・出張買取の際に押し買いを行うことがあります。
押し買いとは、業者が強引に商品を買い取る行為です。例えば、業者が訪問・出張買取を名目に訪れ、着物の価値を適切に評価せず、低価格で買い取ろうとするケースです。
また、消費者が断ろうとしても、業者がなかなか帰らない、または高圧的な態度を取ることで消費者を困惑させ、結果的に不利な条件で買い取らせる事例も報告されています。
このようなトラブルを避けるためには、訪問・出張買取を依頼する前に、業者の評判や口コミをインターネットで調べることが大切です。また、訪問時には身分証の提示を求め、業者の正当性を確認しましょう。商品の査定額に納得できない場合は、その場での売却を避け、他の業者にも査定を依頼することをおすすめします。
押し買いをされてしまった場合でも、クーリングオフ制度の使用が可能です。訪問販売法では、訪問販売による取引に対してはクーリングオフ制度が適用されるため、契約後一定期間内であれば無条件で契約を解除することができます。この制度を活用することで、押し買いによる被害を防ぐことが可能です。
もしも押し買いに遭遇した場合は、すぐに消費者センターや警察に相談することが良いでしょう。消費者センターでは、クーリングオフ制度について問い合わせる事も可能です。
着物以外も買い取られる「抱き合わせ買取」
抱き合わせ買取とは、着物以外の商品も一緒に買い取ることを強要する行為を指します。
悪質な業者が訪問・出張買取を名目に訪れ、着物だけでなく、他の洋服や貴金属なども一緒に買い取ろうと査定を強要してくるケースがあります。この場合、応じてしまうと本来売るつもりがなかったものまで売る羽目になってしまい、後悔の原因になってしまうでしょう。
このようなトラブルを避けるためには、事前に信頼性の高い業者を選んでおきましょう。事前に買取業者を選ぶことで抱き合わせ買取のリスクを減らすことができます。
査定時には自分が売りたい商品を明確に伝えることが必要です。もし業者が他の商品も査定しようとする場合は、断固として拒否することが重要です。消費者は査定を依頼していない商品の買取を拒否する権利があるので、しっかりと自分の意思を伝えましょう。
査定額が安すぎる「買い叩き」
買い叩きとは、商品の価値を適切に評価せず、安価で買い取る行為を指します。一部の悪質な業者は、着物の価値を適切に評価せず、極端に安価で買い取ろうとしてくるため注意が必要です。
これは、消費者が商品の適正な価値を理解していないことを利用した行為で、相場を知らないと引っかかってしまいます。
中には、消費者が他の業者に査定を依頼しようとすると、業者が高圧的な態度を取ることで消費者を困惑させ、結果的に不利な条件で買い取らせる事例もあります。
このようなトラブルを避けるためには、事前に着物の相場を把握しておくことが必要です。インターネットや専門書籍を活用して情報を収集し、着物の市場価値を理解することで業者の言いなりにならずに済みます。
複数の業者に査定を依頼することも効果的です。複数の業者から見積もりを取ることで、相場をより正確に把握することができ、極端に低い価格を提示する業者を避けることができます。また、信頼できる業者を選ぶためには、インターネットの口コミや評判をチェックすることも重要です。特に、過去にトラブルが報告されている業者は避けた方が良いでしょう。
出張費・キャンセル料などの「費用請求」
出張費・キャンセル料などの費用請求は、消費者が予期しない費用を負担させる行為です。一部の悪質な業者は、依頼時は出張費やキャンセル料がかからないと説明したにもかかわらず、実際は請求してくるケースがあります。
このようなトラブルを避けるためには、出張費やキャンセル料が発生する条件や金額について、事前に業者から明確な説明を受けるようにしましょう。
口頭の説明だけでなく、書面での確認を徹底することも大切です。契約前に出張費やキャンセル料に関する項目が明記された書面を受け取り、内容をしっかり確認しましょう。特に不明瞭な点や不安な点がある場合は質問し、必要ならば記録として残しておくことをおすすめします。
宅配買取で起きがちな「商品の扱い」
宅配買取は、商品を業者に送ることで査定を行うサービスです。宅配買取は便利ですが、注意事項もあります。
悪質な業者にあたると、業者が商品を適切に扱わず、商品が損傷したり紛失したりするケースがあります。また、消費者が商品の返却を求めても業者が応じない、または高額な返却費用を請求するなどのトラブルも存在します。
そのため、宅配買取を利用する際には、信頼できる業者を選ぶことが最も重要です。業者のウェブサイトや利用規約をしっかりと確認し、商品の取り扱いや返却に関するポリシーを理解しておくことが大切です。
商品を送る際には、丁寧に梱包しましょう。破損を防ぐために、適切な梱包材を使用し、商品が動かないようにしっかりと固定しましょう。発送時には追跡可能な配送方法を選び、保険をかけること安心です。これにより商品の紛失や破損が発生した場合にも、補償を受けることができます。
また、商品の査定結果に納得できない場合や返却を希望する場合には、業者と事前に取り決めをしておくことが重要です。返却にかかる費用や手続きについて、明確な説明を受け、書面で確認しておくと良いでしょう。万が一、業者が着物の返却に応じない場合には、消費者センターや弁護士に相談することを検討したほうが良いでしょう。
振り込みがされない「持ち逃げ」
持ち逃げとは、商品の買取後、約束した金額を振り込まない行為を指します。トラブルの中では一番悪質な行為で、数は多くありませんが、存在するのは事実です。
持ち逃げされてしまうと、金銭的な損失はもちろん、思い出の詰まった着物を盗まれることになってしまいます。そのため、依頼先の業者の情報はしっかり確認し、買取後の振り込みも確認しておきましょう。
このようなトラブルを避けるためには、業者の公式ウェブサイトを確認し、会社の所在地や連絡先が明確に記載されているかをチェックすることも大切です。業者が提供する情報が不十分であったり、不明確な場合はその業者に依頼することを避けるべきです。
買取契約の際には、契約書をしっかりと交わすことが重要です。契約書には、買取金額や支払い方法、振込期日などの詳細が明記されていることを確認しましょう。契約書を交わすことで、万が一トラブルが発生した場合に、法的手段を講じる際の証拠となります。
業者が指定する振込期日を過ぎても入金が確認できない場合は、すぐに業者に連絡を取り、状況を確認しましょう。業者と連絡が取れない場合や、振込が確認できない場合は、速やかに消費者センターや警察に相談することが必要です。
着物買取でトラブルになりやすい悪徳業者の特徴5選
着物買取でトラブルになる業者には、いくつか共通点があります。知っていれば対策ができるため、悪徳業者の特徴を把握しておきましょう。
ここでは、悪徳業者に共通している特徴を5つご紹介します。
- 突然の電話や飛び込み営業をしてくる
- 対応が悪い
- 古物商許可証の提示がない
- なかなか帰らない
- お願いしていない商品の査定を求めてくる
突然の電話や飛び込み営業をしてくる
突然の電話や飛び込み営業を行う業者は、悪徳な買取業者である可能性が高いです。
これらの業者は、一般的に「不要品買い取ります」と言って突然の電話や飛び込み営業で訪問しようとしてきます。しかし、本当の目的は、自宅まで押しかけ、貴金属製品のような高価な品物の買取を狙っていることが多いです。
健全な買取業者であれば、突然の電話や飛び込み営業は行いません。そのため、不審な電話や飛び込み営業には注意が必要といえるでしょう。
対応が悪い
対応が悪い買取業者は、信頼できる買取業者とは言えない可能性があります。
悪徳な買取業者は、利用者の不安や疑問に対して適切に対応しない場合が多いです。また、利用者に対して不適切な態度を取ることもあります。
具体的には、査定額についての説明を適切に行わない、査定結果についての質問に対して適切に答えない、などが挙げられます。
対応が悪い業者に対しては、十分に警戒しましょう。そして、よっぽどのことがない限り、対応が悪い業者へは依頼しない方がいいでしょう。
古物商許可証の提示がない
古物商許可証の提示がない業者は、法律に違反している可能性があります。
買取業者は、訪問時に必ず訪問目的や行商(古物商許可証)、会社名や住所・電話番号が記載された名刺の受け渡しを行わなければなりません。
しかし、詐欺目的の悪徳業者は身分証の提示はおろか会社名や電話番号・住所などを明かしたがらず、名刺の受け渡しも拒否する場合があります。このような業者は悪徳業者である可能性が高いため、注意が必要です。
なかなか帰らない
なかなか帰らない業者は、押し買いを試みている可能性があります。一度自宅へ入れたら最後、あの手この手で高価な商品の買取を執拗に迫ってきて、売るまで帰ろうとしません。
健全な業者であれば、押し買いはしません。なかなか帰らない業者の場合は、悪徳業者の可能性が高いといえます。
お願いしていない商品の査定を求めてくる
お願いしていない商品の査定を求めてくる業者は、抱き合わせ買取を試みている可能性があります。
通常の買取業者であれば、査定を依頼した商品のみを査定してくれるため、お願いしていない商品の査定を求めてくる業者は悪徳業者の可能性が高いといえます。
お願いしていない商品の査定を求めてくる業者に対しては、十分に警戒し、きっぱり断りましょう。
着物買取でトラブルを避ける5つの方法
着物買取でトラブルに巻き込まれないためには、トラブルを避けるための方法を知っておく必要があります。
ここでは、着物買取でトラブルを避ける5つの方法についてご紹介します。どれも簡単にできるものばかりなので、すぐに実践してみましょう。
- 口コミや評判、買取実績を調べる
- 名刺・古物商許可証を確認する
- 買取価格相場を把握しておく
- 売りたくなければハッキリ断る
- 相見積もりをとる
口コミや評判、買取実績を調べる
口コミや評判、買取実績を調べることは、信頼できる業者を見つけるための重要なステップです。
口コミや評判は、他の顧客が業者との取引でどのような経験をしたかを示すもので、業者の信頼性やサービス品質を評価するための重要な情報源です。
また、買取実績は業者がどの程度の価格を付けているか、どのような品物を買い取っているかを示すため、自分の着物が適切な価格で買い取られる可能性を判断するための重要な指標となります。
口コミや評判が悪く、買取実績が低い業者は避けるべきでしょう。
名刺・古物商許可証を確認する
業者から名刺や古物商許可証を受け取り、その正当性を確認することは、安全な取引を行うために必要です。
名刺は業者の正式な連絡先や所在地を確認するための重要な判断要素であり、古物商許可証は業者が法律に基づいて適切に業務を行っていることを証明するものです。これらを確認することで、業者が信頼できるかどうかを判断できます。
例えば、業者が名刺を渡さなかったり、古物商許可証を提示しなかったりする場合、その業者は信頼できない可能性があります。
そのため、査定を始める前に、名刺・古物商許可証の提示を依頼するようにしましょう。
買取価格相場を把握しておく
買取を依頼する前に、その商品の買取価格相場を把握しておくことが重要です。
買取価格相場を把握しておくことで、不当な価格での買取を避けられます。また、相場を知っていることで、適正な価格で買取を行ってくれる業者を見つけやすくなります。
買取価格相場は、インターネットで調べれば情報が出てきます。おおよそでもいいので、把握しておくようにしましょう。
売りたくなければハッキリ断る
買取価格や業者の対応に納得できない場合、きっぱりと断ることが重要です。無理に売る必要はありません。
買取業者によっては、強引な手法で買取を進める場合があります。例えば、強い口調で査定・買取を強いられたり、売るものがないと返答すると、身に着けている指輪やネックレスを無理やり査定・買取されたりするといったようなケースです。
また、買取された品物は、クーリングオフにも応じてもらえず、訪問後は電話も繋がらないという事例も存在します。
そのため、買取価格や業者の対応に納得できない場合は、その場で断ることが重要です。断るのが苦手な場合は、家族や知人に査定当日に立ち合ってもらうのも有効な手段です。
相見積もりをとる
複数の買取業者から見積もりを取ることは、着物の適正な買取価格を把握し、信頼できる業者へ依頼するための重要な手段です。
基本的には、業者ごとに買取価格は異なるのが一般的です。そのため、一つの業者だけに依存せず、複数の業者から見積もりを取ることで、相場や最も高く買い取ってくれる業者を把握できます。
なるべく高く買い取ってもらうためにも、着物の買取を考えている場合は、必ず複数の業者から見積もりを取るようにしましょう。
その他、細かい注意点は着物買取の注意点とは?事例やトラブル時の対処法も解説!で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
まとめ
着物の買取には、さまざまなトラブルが潜んでいます。押し買いや抱き合わせ買取など、悪質な手口は多岐にわたります。これらのトラブルを事前に防ぐには、突然の電話や飛び込み営業など、悪徳業者に共通する特徴を理解する必要があるのです。
また、口コミや評判、買取実績の調査、名刺や古物商許可証の確認など、自分自身でできる対策もあります。
着物の買取は、適切な知識と行動があれば安心して依頼できます。着物の買取を検討している方は、この記事を参考に、ぜひ自己防衛のための対策を講じてみてください。
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