2023年に入り、金は高値で取引されていますが、「もっと高くなるかも」と売却を踏み切れない方も多いのではないでしょうか。
金を売る適切なタイミングを逃さないためには、どういった状況で金が高騰するか理解することが大切です。
ここでは、金を高値で売るためのポイントや、事前準備について解説します。
金の売却を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
金を売るのにベストなタイミングとは?
金を保有していても、売るタイミングを適切に見極めないと損をしてしまう可能性があります。
ここでは、金を売るのに最適なタイミングについて確認してみましょう。
金の相場が上がったときが売り時
金の売り時は、購入時の相場に比べて大幅に価値が高くなったときです。
安く購入し、価格が上昇した際に売却することで、その差額が利益となります。
金は日々変動するため、価格が最高値に達するタイミングを正確に予測するのは難しいものです。
資産として金を保有しているなら、いつかは売ることを視野に、相場が上昇している時点で売却を検討するようにしましょう。
2023年は最高価格を更新
2023年8月29日に、金の買取価格は過去最高の1gあたり9986円を更新しました。
高騰の要因は、2000年から続いているコロナウイルスの流行に加え、ロシアのウクライナ侵略という不安定な情勢が続いたためです。
また、世界的に金利が下がったことと、ドル高・円安の経済状況も要因と考えられます。
2023年は売り時?
2023年は、金が最高値を記録したため、売却のタイミングとして最適と言えます。
今後、短期的に見ると、コロナウイルスやウクライナ情勢が収束すれば、金相場は下がると予想されます。
そのため、長期的に金を資産として保有してきた方は、現在の高値のうちが大きく現金化できるタイミングです。
ただ、金の価値がなくなることはないので、今後も長期的にみればさらに上昇する見込みがあります。
金の相場が上がるタイミングの見極め方
金相場が上がるタイミングは、さまざまな要因が関係しています。
ここでは、何が金相場に影響を与えるのかを把握して、見極められる知識をつけましょう。
円安・ドル高になったとき
金の価格は、為替も値動きに影響されるのが特徴です。
金は、米ドルで取引されますが、日本では日本円に換算して取引されるため、円安のときの方が相場は高くなります。
たとえば、金の価格が1g=100円と仮定して考えてみましょう。
為替が1ドル=80円であれば、1g=8000円で売却できます。
一方、1ドル140円台の円安では、1g=1万4000円で売却できるため、円安・ドル高の方が高く売却することが可能です。
不安定な世界情勢のとき
金相場は、紛争などで情勢が不安定なときに上昇します。
昨今の、コロナやウクライナ情勢のほか、過去にはリーマンショックや世界同時多発テロといった有事の際に金が上昇しました。
先行きが不透明で、株や現金の価値がなくなってしまうことが懸念されると、安定した現物投資に人気が集まります。
他国が金を買い集めているとき
金は個人が持つだけではなく、国も資産として保有しています。
国の規模で金を購入すると、世界的に流通する量が減少してしまうのです。
特に中国やインドは古くから金投資が盛んな国のため、経済が急成長しているときは、金の値段が上昇します。
株の価値が下がっているとき
株と金は、逆の値動きを見せる関係性で、株の価値が下がっているときは、金の価値が上がるとされています。
株は世界情勢が不安定なときに、価値が下がるのがデメリットですが、金は有事のときにこそ持っていると心強い素材です。
そのため、資産を消失しないように、金でリスクを防ぐため、需要が高まり価値が上がります。
信頼性の高い通貨の価値が下がったとき
為替相場が金の価格に影響するのは、金の取引がドルで行われているからです。
そのため、アメリカドルの信用が下がると、金が高騰する原因になります。
過去、リーマンショックや、同時多発テロなどが起きたタイミングで、ドルの信用が下がり、それに反して金の相場が上がりました。
これは、価値の低いドルを持つメリットが薄れて、安定した金の人気が高まることが、高騰の要因と言えるでしょう。
インフレ対策が行われているとき
インフレとは現金の価値が下がり、物価が上がることです。
物価が2倍になれば、同じ1万円でも買えるものが半減するため、実質現金の価値が下がったことを意味しています。
インフレの対策をしないと、資産にも影響を与えることから、世界共通の価値がある金を購入する方が増える傾向です。
金を売る前に確認しておきたいこと
金を売却する前に、事前に確認するべきなのは「純度」「重さ」「相場」の3点です。
この3つを確認すれば、買い取り時のトラブルを防止し、高値で売るタイミングを逃がしにくくなるでしょう。
金の純度
金の純度とは、金製品に含まれている金の割合のことで、純度が高いほど価値が高まります。
宝飾品であれば刻印されているものが多いため、一度確認してみてください。
金の純度はおおよそ下記の割合に分かれます。
純度 | 金の含有量 |
K24(純金) | 99.9~100% |
K22 | 91.7% |
K18 | 75% |
K14 | 58.5% |
K10 | 42% |
金の重さ
金の価格を判断するには、重さを知ることも大切です。
重さが分かれば、金がどのくらいの価格で売れるのかを計算することができるため、査定額の判断基準になるでしょう。
一度お持ちの金製品の価格を、下記の方法で確認してみてください。
金の買取価格は、《純度・重さ・金相場》で算出します。
今回は、金相場が1g8000円の日に、K18でできた総重量30gのネックレスを売却する場合で計算します。
金の含有量は、【カラット数÷24】で算出可能です。
K18なら、18÷24=75%金が含有されていることが分かります。
その日の金相場が1gあたり8000円であれば、
8000円(当日の相場)×30g(総重量)×0.75(金の含有量)=18万円
となるため、18万円がおおよその目安価格となります。
金の相場を把握しておく
金相場は日々変動しているため、売却前から細かく確認するようにしましょう。
日ごとで見ると大きく急変することはほぼありませんが、数十円から数百円単位で動いています。 少しでも高値で取引したい方は、日々の相場変動をチェックして、タイミングを逃さないようにするのがおすすめです。
金とプラチナどちらが資産価値が高い?
2015年までは、金よりプラチナの方が資産価値が高かったため、金とプラチナの相場が逆転しているのをご存じではない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは金とプラチナの価値に差が出た理由について解説します。
「金」の方が資産価値が高い
2023年8月16日時点で確認してみると
- 金・・・9735円
- プラチナ・・・4504円
と大きく価格の差が出ているのが分かります。
このことから、現時点で資産価値としては、金の方が高いのは確かです。
「プラチナ」は金より希少性が高い
プラチナは、金よりもはるかに希少性が高い金属です。
下記のように、金と比較すると生産量が大幅に違うことが分かります。
金 | プラチナ | |
年間生産量 | 約3800トン | 約200トン |
総生産量 | 約19万40トン | 約7200トン |
希少性はプラチナの方が高く、白く輝く白金と呼ばれています。
変色や変質の心配がなく、丈夫であることが特徴で、ブライダルジュエリーとして、長く身につける際に人気のある金属です。
金とプラチナの価値が逆転した理由とは?
プラチナと金の価格が逆転したのは「需要が不安定であること」と「自動車産業の低迷」が原因です。
プラチナは、宝飾品以外に工業用の需要が全体の6割を占めています。
そのなかでも自動車触媒という、排気ガスを抑える浄化触媒などに主に使われているのです。
そのため、車の売れ行きの低迷が影響し、価格が下がったのが主な原因でしょう。
価格変動が激しいプラチナより、安定した金が資産として人気が高まったことも影響しています。
まとめ
金を売却する際は、価格の変動リスクを見据え、最適なタイミングを見極めることが重要です。
金買取相場の変動要因にはさまざまなものがありますが、特に世界情勢や経済不安が大きな影響を与えます。
そのため、日本だけでなく世界の動向の変化についても中止しておきましょう。
2023年は、コロナやウクライナ情勢が影響し、金相場の高騰を目のあたりにしているタイミングでもあります。
今後の価格動向に注意を払いながら、売却のタイミングを見極めてみてください。