初めて金買取サービスを利用するという方は「金を売りたいけど、どこでどうやって売ったらいいのか分からない」などと不安になるものです。
しかしあらかじめ査定から買い取りまでの全体の流れや、審査時間を把握しておくことで安心して利用できるようになるでしょう。
本記事では、どこで売ったらいいのか、買取査定の方法や時間などの全体の流れと買取時に必要な書類をご紹介します。
金製品の売却をご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
金買取の流れ
一般的な金買取の流れは、以下の5つのステップに分けられます。
- 査定員による鑑定
- おおよその査定金額を提示
- 査定金額に納得した場合、本人確認書類の確認と申込書を記載
- 金の正確な重量を確認
- 買取金額を現金、または振込で支払い
査定員による鑑定
買取業者に金製品を持ち込むと、専門の査定員が価値を詳しく確認します。査定では、金の純度(24Kや18Kなど)、刻印の有無、商品の状態が主にチェックされます。特に、金の純度は最も重要な要素であり、金の価値を決定する際の基準となります。査定は通常、目の前で行われるので安心して査定に出すことができます。
おおよその査定金額を提示
鑑定が完了した後、査定員は金の純度や重量、商品の状態に基づいて、現在の市場相場と照らし合わせた金額を提示します。金の市場価格は日々変動するため、査定時点の相場が売却金額に直結します。
この段階で提示される金額は、大まかな金額で正確な買取金額はその後の質量の測定で決まります。もし金額に納得できない場合は、この段階で売却を中止することも可能です。
査定金額に納得した場合、本人確認書類の確認と申込書を記載
提示された査定金額に納得した場合、本人確認書類の提示と申込書の記載が必要です。日本では、金売却の際に「本人確認」が法的に義務付けられており、これは盗難品や不正取引を防止するための措置です。一般的には、運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどの本人確認書類を提示する必要があります。
また、本人確認書類の確認と併せて、売却の正式な手続きを進めるための申込書も記入します。この申込書には、氏名や住所、取引の詳細などが記載され、法的な手続きとして重要な書類となります。
金の正確な重量を確認
金の買取価格は純度に加えて、重量が非常に重要です。買取業者は専用の高精度な計量器を使用して、グラム単位で正確に金の重さを測定します。重量に基づいて、最終的な買取金額が計算されます。重量を確認する際、査定員が目の前で行うことが一般的であり、透明性のある取引が保証されます。
もし、金製品に宝石や他の素材が含まれている場合は、金だけの重量を計測するために別途取り外しや検査が必要になることもあります。
買取金額を現金、または振込で支払い
重量と純度を基に算出された最終的な買取金額が確定した後、支払い方法を選択します。多くの業者で、現金での支払いか、銀行振込による支払いが選択可能です。即金での支払いを希望する場合はその場で現金を受け取ることができ、振込を選んだ場合は指定の銀行口座に数日以内に入金されます。振込の場合は、振込手数料がかかることもあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
支払いが完了した時点で、金買取の取引は終了となります。
査定方法別での買取での流れ
店舗査定
実際に買取店まで金製品を持ち込んで査定する方法です。
基本的には当日中に査定金額が分かり、査定額に納得できれば、その日のうちに売却できます。
全体的な流れは、上記でご紹介した基本の5つのステップとなります。
実際に店舗まで足を運ぶ必要がありますが、金を早く売却したい方におすすめの方法です。
混雑時は待ち時間がかかってしまう可能性があるので、予約しておくと待ち時間を短縮できます。
出張(訪問)査定
査定員を自宅に招き、自宅で査定してもらう方法です。
自宅で完結する場合が多く、高価な金製品を持ち歩かなくて済むのは大きなメリットといえます。
しかし、査定額によっては支払いが後日になることもあります。
査定を依頼する数が多いと断られてしまうケースもあるようです。
査定員が自宅にいる間は家から出られないため、時間にゆとりを持って依頼するようにしましょう。
宅配査定
金製品を業者に送り、査定を依頼する方法です。
送料や手数料の負担額は業者によって異なります。
無料の宅配キットを配送してくれる業者もあり、忙しくて店舗に行けない方や、近隣に買取店がない方におすすめの方法です。
査定を希望する金製品や必要書類などを梱包して買取業者に送り、査定金額に納得できたら振込となる業者がほとんどです。
配送期間が発生するので、必然的に時間がかかります。
また、査定額に納得がいかない場合はキャンセル料が発生することがありますので、あらかじめ確認しておくといいでしょう。
メール査定
おおよその査定額が知りたい方におすすめなのが、メール査定です。
売りたい金製品の写真を業者に送るだけで、簡易査定を行ってくれます。
査定員が実際の金製品を手に取って見られないため、最終的な査定額と大きく異なる場合があります。
チャット式査定
スマートフォンのチャットアプリを利用した査定方法です。
メール査定と同じように、金製品の写真や詳細をもとに査定するため、最終的な査定額と大きく異なる場合があります。
気軽に利用できるので、おおよその査定額が知りたい方や、買い取りを検討している段階の方におすすめです。
金買取に必要な書類
金を買い取ってもらうときには、本人確認書類が必要です。
忘れてしまった場合は買い取ってもらえませんので注意しましょう。
本人確認書類
運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどの顔写真付きのものがベストです。
もし、顔写真付きの本人確認書類がない場合は、顔写真のない本人確認書類を2点用意しましょう。
顔写真のない本人確認書類とは、健康保険証や住民票などのことです。
200万円以上の取引ではマイナンバーカードが必要
金の買取金額が200万円以上になった場合、買取業者が税務署に支払調書と呼ばれる書類を提出する義務が発生します。
支払調書とは、納税者の高額な取引を税務署が把握するための書類です。
支払調書には、売却者のマイナンバーや住所、氏名などを記入します。
本人確認書類としても有効なので、金買取時にはマイナンバーカードを持参することをおすすめします。
金買取で気を付ける注意点
手数料を確認する
金を売却する際、買取業者によっては手数料が発生する場合があります。この手数料には、査定料、取引手数料、振込手数料、出張料などが含まれることがあり、これらが思わぬコストとなることも少なくありません。事前に業者に問い合わせて、どのような手数料が発生するかをしっかり確認しておくことが大切です。
手数料は業者ごとに異なり無料で対応しているところもあれば、高額な手数料を設定している場合もあります。売却金額が大きくなるほど、手数料が売却益に与える影響も大きくなるため、手数料が低い、もしくは無料の業者を選ぶことが、金を高く売却するための重要なポイントとなります。
金の相場を確認する
金の価格は日々変動しており、売却のタイミングによっては相場が大きく異なる場合があります。そのため、金を売却する前に、最新の金相場をしっかりと把握しておくことが非常に重要です。相場を確認せずに売却すると買取価格が市場価格よりも低くなってしまうことがあるため、損をしないように最新の情報を収集しましょう。事前に相場を理解しておくことで買取の際のトラブルも防止できるでしょう。
金相場は、世界的な経済状況や為替レート、株価の動向などに影響を受けやすく、これらの要因も含めて相場の変動を確認することが大切です。
買取にかかる税金を考えておく
日本では、個人が金を売却して得た利益に対しては「譲渡所得税」がかかる場合があります。この税金は、売却金額から購入時の金額や諸経費を差し引いた額(譲渡所得)に基づいて計算され、一定額以上の利益が出た場合に適用されます。
もし、長期保有した金であれば税率が優遇される場合もありますが、短期間での売却利益には通常の税率が適用されるため注意が必要です。売却前に税務について確認し、必要に応じて税理士などの専門家に相談しておくことで、売却後に思わぬ税負担を避けることができます。
金買取サービスを行っている業者
金買取サービスを行っている業者にはさまざまな業者があります。
- 金買取の専門業者
- 銀行
- 中古品買取店
それぞれの特徴やメリットとデメリットをみていきましょう。
金買取の専門業者
金買取業者は、一般的には金だけではなく貴金属全般の買い取りをしている業者がほとんどです。
金買取の専門業者は買い取りを専門としているため、アクセサリーはもちろん、万年筆などの加工した金製品も幅広く買い取ってくれる業者が多いようです。
買い取り可能な金製品は各業者によって異なりますので、事前に問い合わせてみることをおすすめします。
店舗数が多い業者であれば、自宅の近くにある店舗を探しやすいのがメリットです。
店頭買取以外のサービスも充実しており、高価な金を持ち歩かなくても、自宅にいながら簡単に金を売却できます。
しかし、金買取の専門業者のなかには悪質な業者も存在します。
悪質な業者に金買取を依頼してしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうこともあります。
安心して利用できる業者を探すために、どのような業者に依頼するべきかを見極めるポイントを把握しておきましょう。
銀行
銀行では、積立や投資として金を取り扱っていますが、買い取りも対応しています。
銀行は管理がしっかりしているので安心して買い取りを依頼できると感じている方も多いのではないでしょうか。
しかし、銀行で金を売る場合、手数料が発生します。
他の買取業者よりも高く設定されている場合がほとんどです。
中古品買取店
貴金属を取り扱っている中古品買取店やリサイクルショップでも金買取サービスを行っています。
店舗数が多く、取り扱い商品も多いため、生活圏内で店舗を探しやすいでしょう。
金買取以外の買い取りにも対応しているため、バッグなどの服飾品もまとめて売却することができます。
しかし、刻印がないものや一部のブランドでは販売証明書がない場合、査定の対象外になることもあります。
金そのものの価値を評価してほしい場合は、金買取の専門業者の方が安心して利用できるでしょう。
まとめ
初めて金買取サービスを利用する方でも安心して金を売却するために、どこで売ったらいいのか、買取査定の方法や時間などの全体の流れと買取時に必要な書類をご紹介しました。
金買取の全体の流れは、査定、査定額の提示、買取契約という流れで進みます。
買い取り可能な金製品は業者によって異なりますので、事前に電話などで確認しておくと安心です。
それぞれの特徴を理解し、自分に合った金買取業者や査定方法を利用しましょう。