買い取りできない着物とは?買取不可の基準について解説

2024/03/18

着物は高価買取してもらえるというイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。

実際には、買取を依頼したが断られてしまったという人が一定数います。

せっかく買取してもらおうと依頼したのに、価格さえつけられず断られてしまったら、嫌な思いをしてしまいます。

しかし、買取を断られてしまう着物には何らかの理由があります。

そして、買取を断られた着物でも、処分以外の道はたくさんあります。

この記事では、どのような着物が買い取ってもらえないのか、買い取ってもらえなかった場合の対処法について解説します。

買い取ってもらえない着物の特徴は?詳しく解説

買取を断られてしまう着物は、どういったものなのでしょうか。

状態がひどいものはもちろん、素材や着物の種類によって買取を断られてしまうものがあります。

この項目では、買取を断られやすい着物の特徴について解説します。

買取を依頼しようと考えている着物がいずれかに該当するかどうか、確認しましょう。

傷みや汚れがひどい

軽度の傷みや小さな汚れであれば、買取業者側で修復や洗浄がおこなえるため買取可能なことが多いです。

しかし、程度がひどく修復・洗浄不可能と判断された場合、買取を断られることがあります。

また、傷みや汚れの場所も重要で、裏地部分や着用した際見えないところなら問題ないと判断されることが多いでしょう。

傷みや汚れの程度がひどい、または目立つ場合、買い取ってもらえない可能性が高いです。

カビが生えている

傷みや汚れと同様に、カビに関しても程度がひどいものは買い取ってもらえないでしょう。

特に、カビが生えて変色してしまったり、カビ臭さが抜けなくなってしまったりすると、買取を断られる可能性が高くなります。

ただし、浸食が浅くお手入れによってカビが除去可能なものに関しては、買い取ってもらえることが多いでしょう。

具体的な目安としては、白カビであれば発生したばかりでまだ進行していないことがほとんどのため、自宅での除去もできます。黄カビは白カビを数年間放置すると変化するもので、「洗い張り」というクリーニングをすることで除去できます。黒カビはカビが生えてから10年以上経つと変化するもので、この状態になると生地も傷んでいることが多いので、修復や買取が難しくなります。

判断が難しい場合は、買取業者に見てもらうことをおすすめします。

においがひどい

保存ににおいの強い防虫剤を使用していたり、家族に喫煙者がいたりすることで、着物ににおいが付着することがあるでしょう。

また、香水やペットのにおいが移ることもあります。

軽いにおいであれば、洗ったり干したりすることで消臭できますが、強いにおいに長年晒されていた着物はにおいの除去が難しいです。

強すぎるにおいやタバコのにおいは嫌がる人が多く、需要も大幅に低くなってしまいます。そのため、買取を断られやすいのです。

買取してもらえたとしても、クリーニング代を引かれて査定額が本来よりも下がってしまうでしょう。また、においが軽めでも消臭のクリーニングが必要と判断された場合はその代金が引かれるため、着物の保管には日頃から注意が必要です。

素材がウールや化学繊維

基本的に、着物買取において高価買取がされているのは正絹の着物で、他に麻や上布の着物も多く取引されています。

しかし、ウールや化学繊維の着物に関しては、元々が低価格であることがほとんどなので、買取を断られることがあります。

特にウールに関しては虫食いが起こることが多く、発生した場合一緒に保管している他の着物にも及んでしまうため、虫食い対策を入念におこなわなければいけません。

手間がより一層かかる上に、防虫剤や乾燥剤の費用もかかってしまうので、ウールの着物は避けられがちです。

素材がウールや化学繊維でも、中には人気があったり価値が認められたりしている着物もあります。しかし、ノーブランドのものなら買取を断られるか、価格がついてもかなり安くなってしまうでしょう。

ただ、素材を問わずどんな着物でも買取可能と謳っている買取業者もいるので、買取してもらいたい場合はそういった買取業者に依頼しましょう。

喪服

喪服はお葬式やお通夜で着られる黒一色の着物です。弔事でしか着ることがなく、そもそも需要が低い上、中古の喪服となると「既に誰かの弔事で着られた」ということで縁起が悪いと敬遠されることが多いです。

また、喪服には家紋が入っていることが多く、買取し再度販売するとなると紋消しという作業をしなければなりません。

需要が低い上に手間がかかることから買取を断られることが多いのです。

しかし、入っているのが「五三の桐」という紋であれば、通紋という誰でも着られる紋であるため買取してもらえることがあります。

また、喪服の買取をしている業者がまったくないわけではないので、喪服でも買い取ってもらえるか問い合わせてみると良いでしょう。

サイズが小さい

着物は、着る人の身長や横幅に合わせて仕立てられます。

手放され持ち主が変わると、次に着る人のサイズに合わせて仕立て直されます。

その際、着物のサイズが大きめであれば、「おはしょり」という部分をつくることによってサイズの調整が可能になります。しかし、着物のサイズが小さすぎると、調整がききません。

着物に関しては、大は小を兼ねるという言葉が当てはまるのですが、逆に小が大を兼ねることは不可能なのです。

そのため、サイズの小さい着物は需要が低く、買い取ってもらえないことが多いです。

具体的な数字でいうと、身丈が150cm以下の着物は買取が難しいでしょう。

ただし、状態が良いものやブランドものの着物なら、買取が可能な場合もあります。

買取を断られたらどうする?対処法を解説

着物買取の専門業者に買取を依頼して断られてしまった場合、捨てるしかないと思い込んでしまうのは早いです。

買取業者以外にも、着物を必要としている、あるいは着物の素材を欲している方は多くいます。

この項目では、買取を断られてしまった場合の対処法について解説します。

また、それでも買い手、貰い手が見つからなかった場合、どうやって処分したら良いのかについても解説します。

ネットオークションやフリマアプリで出品する

買取業者が買取できないと断った着物でも、ネットオークションやフリマアプリでなら欲しい人に買ってもらえる可能性があります。

ウールや化学繊維などの素材でも、手に入れたいという人は多いです。中古の着物は元々の価格の10~20%で販売されることが多く、より安く購入したい人はネットオークションやフリマアプリで着物を探します。

また、目立つシミや汚れがあったり、サイズが小さかったりしても、買ってもらえることがあります。着物を入手する目的が着るためではなく、小物をつくる素材にするためという場合です。

注意点としては、どの場合でも着物の状態を正確に載せておくことです。サイズや素材、シミ・汚れ・カビ・におい・家紋の有無を記載し、シミなどがある場合はその箇所を写真に撮り添付しておきましょう。誤った情報を載せたり嘘をついたりすると、返品やクレームにつながります。

着物のバザーで出品する

地域によっては、数週間か数ヶ月に一度、あるいは不定期で着物専用のバザーが開催されているところがあります。

着物の購入を積極的に考えている方や着物マニアの方が訪れるので、買い取ってもらえる期待は高いです。

また、実際に手に取って吟味した上で購入してもらえるので、購入後のトラブルが起こる心配もありません。

質問を受けたり値引き交渉を受けたりすることも多々あるので、コミュニケーション能力が求められる場になります。

近場で開催される予定がないか調べてみましょう。

寄付する

地域の自治体やNPO法人に着物を寄付して、貧しい人に着てもらうという方法もあります。

直接連絡して寄付するということもできますが、買取業者の中には価格のつけられない着物を引き取り寄付してくれるというところもあるため、寄付がしたいのであれば問い合わせてみましょう。

しかし、シミや汚れなどで状態が悪いものは寄付に出すべきではありません。

寄付に出された着物は、貧しい人々の手に渡り、貴重な衣服として身につけられます。

素材が低価格だったり、サイズが小さかったりという理由で、状態が良くても売れないという場合にこの方法を考えましょう。

「どうしても売れないから」ではなく、「誰かの役に立ってもらいたいから」という気持ちで寄付することが大切です。

譲渡する

親族や友人で、着物が好きだったり必要としていたりする人はいないでしょうか。

もし身近な人で着物を欲している人がいたら、譲渡するのもひとつの手です。

上記の通り、着物はそのまま身につけるだけでなく裁断して小物にリメイクすることもあるため、実は着物が欲しいと思っていた、という人がいるかもしれません。

不要になって、しかも買い手がつかない着物を身近な人が引き取ってくれるというのであれば、手間も費用もかかりませんし嬉しいものです。

ただし、着物の状態は詳細に伝えた上で、強引に押しつけるということはしないよう気をつけましょう。

家庭用ごみとして処分する

買い手や貰い手が見つからない場合、処分を考えます。ごみとして自治体に回収してもらう場合、着物が何ごみにあたるのかは自治体によって異なります。また、場合によっては費用がかかってきます。

例えば、神奈川県横浜市の場合、着物は古布として資源集団回収に出すことができます。一方で、愛知県名古屋市では衣類はすべて可燃ごみと定められており、着物も可燃ごみになります。

ごみ出しで有料のごみ袋が指定されている自治体は多く、その場合は着物を捨てる分のごみ袋の費用がかかってしまいます。

さらに、着物が可燃ごみに分類されており、自治体で有料のごみ袋が指定されている場合、ごみ袋に入りきらなければ粗大ごみとして料金を取られてしまう地域もあります。

家庭用ごみとして処分するのであれば、自治体のごみ分別情報を調べておきましょう。

買取業者に処分を依頼する

買い手も貰い手も見つからず、家庭用ごみとして処分するにも費用がかかって億劫だ、という方もいるのではないでしょうか。

その場合、買取業者に処分を依頼してみることをおすすめします。

買取業者には、買い取ることのできない着物を無料で処分してくれるところがあり、宅配買取業者であれば「価格のつかなかった着物は処分してほしい」と依頼しておけばそのまま処分してくれるでしょう。

ただ、処分料金を請求されることがないとは限らないため、無料で処分してくれるかどうか事前に確認を取っておくと安心です。

まとめ

これまで、買取できない着物について、なぜ買取できないのか、買取できなかった場合の対処法を解説してきました。

状態がひどいものや需要が低いものには買取価格がつかないことがあります。

一社に買取を断られたからといって、すべての買取業者に断られるということではないので、査定は複数社に依頼するのが良いでしょう。

それでも買取を断られた場合や、あまりの安さに納得できない場合は、ネットオークションやフリマアプリに出品したり、寄付や譲渡を考えてみたりするのがおすすめです。

着物を手放した後の満足度は、買取価格だけによりません。

処分をするのであれば、自治体のごみの分別方法や無料で処分してくれる買取業者を調べておきましょう。

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