大量にある切手を売りに出す際、少しでも高く買い取ってもらいたいと考える方も多いはずです。
その際、切手を台紙に貼った状態で売却することでバラの状態よりも高く買い取ってもらうことができます。
そこで今回は、台紙貼り切手の貼り方や注意点について、詳しく解説します。
手元に切手が大量にあるという方や切手を売りに出したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
台紙貼り切手とは?
台紙貼り切手とは、切手を台紙に複数枚貼った状態のことです。
62円切手を100枚など、額面を揃えて貼ることで6,200円分として利用できます。
以下では、台紙貼り切手について詳しく解説します。
台紙貼り切手に需要がある理由
台紙貼り切手には、バラの状態よりも高い需要があります。
その理由は、台紙貼り切手は郵便物の支払い料金として使用できるからです。
郵便局で大量の郵便物を発送する際、荷物の1つ1つに切手を貼り付けるのは大変ですが、料金別納郵便で台紙貼り切手を料金として使用すれば、手間をかけずに済みます。
そのため、郵便物を大量に発送する企業などが、料金別納郵便の利用のために台紙貼り切手を購入することが多いです。
台紙貼り切手が高く買い取ってもらえる理由
台紙貼り切手は業者に査定に出した際に、査定スタッフの負担が減らせることから、バラの状態よりも高い金額での買取が期待できます。
バラの切手を査定に持ち込んだ場合、査定スタッフは金額ごとに切手を仕分けし、1枚1枚の状態をチェックしながら査定額を決めなければならず、時間と労力がかかります。
しかし、台紙貼り切手なら金額も枚数も一目で把握でき、仕分けの時間もかからずに済むため、査定スタッフにとっても都合が良いのです。
そのため、査定時の手間を短縮できた分、査定額をプラスしてもらえることが期待できます。
台紙貼り切手は郵便局で買い取ってもらえる?
台紙貼り切手は郵便局で買い取ってもらえるのでしょうか?
結論から言うと、郵便局では台紙貼り切手の買取は行われていません。
しかし、新しい切手に交換してもらうことは可能です。
その場合は、交換してもらう切手との差額を支払う必要があります。
また、切手の交換は破損したものでも可能なため、切手を売りに出したい場合は新しい切手に交換してから買取業者に売却することをおすすめします。
台紙貼り切手とバラ切手の買取相場の違い
台紙貼り切手とバラ切手とでは、同じ種類の同じ額面のものであったとしても、買取相場が異なります。
以下では、台紙貼り切手とバラ切手の買取相場の違いについて解説します。
台紙貼り切手の買取相場
台紙貼りをしてある切手だと、バラ切手よりも買取額が少し高くなります。
例えば、63円の切手だと買取金額は額面の81%ほどとなります。
しかし、シートの買取金額はこれよりも高い84%ほどとなるため、切手がシートのままの場合は台紙貼りをせずにそのまま査定に出すのがおすすめです。
バラ切手の買取相場
バラ切手の買取相場は、台紙貼り切手の買取相場よりも低くなります。
例えば、63円の切手の買取金額は額面の30%ほどと、台紙貼り切手よりも買取率が50%も下がってしまいます。
そのため、大量の切手を売却する際は、台紙貼りをしてから査定に出すとよいでしょう。
台紙貼り切手の作り方と注意点
ここからは、台紙貼り切手の作り方と注意点について詳しく解説します。
ぜひ、台紙貼り切手を作る際の参考にしてください。
台紙貼り切手の作り方
まず、台紙貼り切手に使用する用紙を用意します。
用紙はA4やB4などの手元にあるもので問題ありません。
次に、切手の枚数を数えて額面ごとに仕分けします。
このとき、繋がっているものがあればきちんと切り離して、必ずバラの状態にしましょう。
ちなみに、台紙貼り切手を作るには30枚~50枚以上の切手が必要です。
最後に、行と列を揃えながら同じ額面の切手を貼り付けて、合計金額を余白部分に記入して完成です。
貼り付ける際は、向きや柄などを揃える必要はありません。
切手を台紙に貼る際に注意すべきポイント
ここからは、切手を台紙に貼る際に注意すべき以下の3つのポイントをご紹介します。
台紙のサイズはいくつがいいのか?
台紙貼り切手に使用する用紙のサイズは、特に決まりはありません。
しかし、業者によってはサイズやテンプレートの使用を定めているところもあります。
その場合は、台紙が指定したサイズと違っていれば、台紙貼り切手として買い取ってもらえなくなるケースもあるため、事前にサイズの指定はあるかを確認しましょう。
額面が揃えられているか?
台紙貼り切手を査定に出す前に、切手の額面が揃えられているかを確認しましょう。
台紙貼り切手は、1枚の台紙には同じ額面の切手だけを貼るというルールがあります。
しかし、切手の大きさや絵柄は揃える必要はないため、バラバラでも問題ありません。
切手に破れや欠けがないか?
欠損のある切手は、未使用とは見なされず買取を拒否される可能性があります。
さらに、台紙に貼り付けている切手のうち、1枚に破れや欠けがあるだけで、台紙そのものを買い取ってもらえない業者もあるため、欠損がないかきちんと確認しましょう。
台紙貼りしないほうがいい切手
全ての切手を台紙に貼り付ければいいのではなく、中には台紙貼りしないほうが高く買い取ってもらえる切手も存在します。
ここからは、台紙貼りしないほうがいい切手について、解説します。
プレミア切手は台紙貼りしないほうがいい
台紙貼りした切手はコレクション用ではなく、郵便局などで使用することを前提として買取されます。
そのため、1枚でコレクションとして価値のあるプレミア切手は、台紙には貼らないようにしましょう。
プレミア切手を台紙に貼ってしまうと価値が落ち、低価格での買取となってしまいます。
プレミア切手は、1960年代頃に発行された希少性の高い切手や、特定の中国切手などが当てはまります。
該当する切手が手元にある場合は、台紙貼りしないように注意しましょう。
バラ売りしたほうがいいプレミア切手
プレミア切手は、コレクター需要が高く、額面の何十倍もの値段が付けられることがあります。
ここからは、バラ売りしたほうがいいプレミア切手について、詳しく解説します。
珍しい切手を所有しているという人は、ぜひ参考にしてください。
中国切手
中国切手は、希少価値が高いものが多く存在します。
代表的なものとして「赤猿切手」「大パンダ切手」「毛沢東切手」などがあります。
高額の理由は、文化革命の真っ只中だった中国では切手収集が禁じられており、この時代よりも前に発行された多くの中国切手が紛失してしまったためです。
見返り美人
見返り美人切手は、菱川師宣の「見返り美人図」がモチーフとなった切手で、縦6.7cm×横3cmと大きめサイズが特徴です。
珍しいサイズと図柄の美しさから、切手コレクターの間でも特に人気が高い切手です。
発行枚数は150万枚ほどですが、発行当時からそれを上回る需要があったため、非常に希少価値が高い切手であると言えます。
月に雁
月に雁は、歌川広重の「月に雁」の浮世絵がモチーフとなった切手です。
見返り美人の後年に作られた切手で、発行枚数は200万枚と、見返り美人よりも多く発行されました。
「小さな芸術」と呼ばれるほど美しい図柄が特徴で、全部で5枚セットで発行されています。
現在でもコレクター需要が高いため、高額での買取が期待できる切手です。
ビードロを吹く娘切手
ビードロを吹く娘切手は、喜多川歌麿の「ビードロを吹く娘」がモチーフとなった切手です。
カラー印刷されているのが特徴で、発売後売り切れが続出し、あまりの人気から500万枚からさらに増刷して550万枚が発行されました。
しかし、見返り美人切手や月に雁切手よりも発行枚数が多いことから、両者に比べると買取額は低めです。
まとめ
切手は、大量にある場合はバラの状態よりも、台紙貼りしてある状態のほうが高く買い取ってもらえます。
そのため、使っていない切手が手元に大量にあるという場合は、1枚1枚台紙に切手を貼り付けた状態で査定に出しましょう。
また、台紙貼りする際は、同じ額面の切手を、行と列を揃えて綺麗に貼り付けましょう。