切手はその美麗なデザインや時代背景を持つ魅力的なアイテムです。
特に1000円切手は、高額郵便を送る方にとって利便性が高く、すでに郵便局やコンビニエンスストアなどでの販売は終了しているため、高い価値を持っています。
1000円切手を所持していて売却したい方は、どの買取業者に持ち込めば良いのか迷うのではないでしょうか。
この記事では、1000円切手の買取にまつわる基本知識と、失敗しない買取業者の選び方を紹介します。
手元の1000円切手を最適な条件で売却したい方は、ぜひ参考にしてください。
1000円切手とは?
1000円切手は、日本国内で発行された切手の中では一番高額な切手で、2019年に廃止となりました。
現在も使用はできますが、郵便局やコンビニエンスストアなどでは手に入らないため希少性が高く、買取価格は高値で取り引きされています。
また、国際郵便にも使用できるため、海外へ荷物を発送することが多い方にとって、使いやすい切手であることも高額買取の要因の一つだと考えられます。
ここでは、1000円切手の基本的な知識として1000円切手のデザインや価値について解説します。
代表的な1000円切手は3種類
1000円切手はほかの切手とは違い、記念切手は発行されておらず、普通切手のみの発行となっています。
最後に発行された切手は2015年2月2日にリニューアルしたものとなっており、重要文化財となっている絵画などが切手に描かれています。
吉祥天立像:実物の仏像同様鮮やかな色彩が特徴的
1975年に当時、日本切手で最高額面となる初の1000円切手として発行されました。
吉祥天立像は、京都の浄瑠璃寺にある国宝の仏像で、左手には宝珠を持ち、右手は願いを聞き届ける印を結んでいるのが特徴的です。
切手は鮮やかな色彩で描かれており、ほかの切手とは少し違った印象となっています。
松鷹図:繊細で勇壮な鷹が特徴的
1996年に、1000円切手のデザインは松鷹図にリニューアルしました。
松鷹図は、室町時代後期の画僧「雪村周継」によって描かれた水墨画です。
切手は凹版印刷となっており、繊細に描かれた大きな鷹が特徴的な切手となっています。
富士図:特徴的な富士山が特徴的
2015年に発行された最後の1000円切手です。
富士図は、江戸時代後期の画家「田能村竹田」が描いた絵です。
実在する絵画は、重要指定文化財として指定されている貴重な絵画となっています。
特徴的な富士山と雲が織りなす独特な雰囲気の切手です。
1000円切手の使用用途とは?
最初の1000円切手が発行された1975年から、45年にわたって使用されていた1000円切手ですが、具体的には以下のようなものに使用されていました。
- 国際小包
- 定形外郵便
- ゆうパック
- EMS(国際スピード郵便)
1000円切手は、重量のある荷物や国際小包、速達など、送料が高い荷物を送る際に使用されていました。
1000円を超える荷物を送る際、少額切手を使うと計算にも貼付にも手間がかかるため、1000円切手は便利とされていました。
1000円切手が廃止された理由
1000円切手は、2019年に郵便局の在庫がなくなり次第、発売終了と宣言されました。
廃止理由としては、実用面の需要が少なかったからと言えるでしょう。
そのため、2019年の消費税増税に伴い、切手の値段も変更される際に1000円切手は廃止となりました。
1000円切手の価値
1000円切手は、日本で最も高額な額面の切手となっていますが、現在発行していないため希少性が高く、保管状態のよい切手はコレクターからも評価が高いことから人気となっています。
また、美しいデザインや特徴的な絵画を使用している点も人気が高い要因の一つです。
1000円切手は販売廃止となりましたが、現在でも実際に使用できます。
送料が高額になりがちな国際郵便にも使用できるため、定期的に国際郵便を発送する方も買い求めることから、通常のシート買取でも額面に対し90%程度となっています。
1000円切手の買取相場は?
切手の買取相場は、発行時期、デザイン、保存状態、希少性など多岐にわたる要因によって変動することが一般的です。
しかし、1000円切手の買取相場は、デザインなどの違いによる価格変動は少ない傾向にあります。
デザインによる価格変動は少ないですが、切手の状態によって買取価格は変わってきます。
バラ・台紙貼り・シート切手の状態に分かれますが、一番高い買取価格が期待できるのは、シートの状態です。
1シート20枚ですが、1枚でも切り離されていると、バラ扱いになってしまいます。
もし、今所持している切手がシート状であれば切り離さないように気を付けて保管しましょう。
【1000円切手の買取相場】
バラ、台紙貼り:700円~900円程度(1000円切手1枚あたり)
シート:900円程度(1000円切手1枚あたり)
※切手シートは20枚の切手で1つのシートにて算出
いずれの買取相場も流動的となるため、買取専門業者のHPなどを確認し、最新の情報をチェックしましょう。
1000円切手を出来るだけ高値で売却する3つのポイント
昨今、切手を使用する枚数は減ってきており、通常販売している切手の買取額はバラ切手の場合、額面の6割程度になることが一般的です。
1000円は希少性や使い勝手のよさから買取価格が変動することは少ないですが、ここでは少しでも高価に買取してもらうポイントについて3つ紹介します。
これらのポイントを押さえて、お手持ちの切手を適切な価格で売却しましょう。
ポイント1:買取業者の選び方の基本
切手買取業者の選び方は、高額売却のための重要なステップです。
まず、業者の信頼性や実績を確認することが大切です。
特に、過去の取引実績や顧客の評価、口コミなどをチェックすると、丁寧に買取対応してくれるのかがわかります。
また、買取手続きの透明性も重要です。
隠れた手数料が存在しないか、査定後のキャンセルや返却時の条件など、細かな取引条件をしっかりと確認することで、後々のトラブルを避けることができます。
最後に、業者の対応やサービスの良さも考慮するとよいでしょう。
迅速な査定や丁寧な対応、問い合わせ時のレスポンスなど、顧客サービスの質を確認することで、スムーズな取引を期待できます。
ポイント2:無料査定を活用して業者間の価格を比較
無料査定は、切手の買取価格を比較するためには最も効率のよい方法です。
複数の業者に査定を依頼すると、各業者の買取価格がわかります。
これにより、売却したい切手の相場を知ることができ、どの業者が最も高額な価格を提示してくれるか判断する基準となります。
ただし、高い買取額だけでなく、査定の詳細や業者の信頼性も考慮することが大切です。
また、無料査定を受ける際には、切手の状態を正確に伝えるために画像も送付すると、より正確な評価が得られます。
無料査定を上手く活用し、高額買取してくれる業者を探しましょう。
ポイント3:買取価格をアップさせるためのコツ
切手の買取価格を最大限に高めるための準備は非常に重要です。
買取価格を向上させるための重要なポイントとして、まず売却する切手の知識を身に付けましょう。
切手の価値を正確に理解するために、基本的な知識や市場の動向を学ぶことは大切です。
この知識は、買取業者との交渉や買取提示価格の判断基準として活用できます。
次にオークションサイトの動向も確認してください。
オークションサイトでは多くの切手が取引されているため、売却したい切手の相場金額がどの程度なのかを調べられます。
買取業者のサイトで見つからなくても、オークションサイトでは見つかる可能性がありますので、価格を手っ取り早く確認したい場合は、オークションサイトを確認してみてください。
長期間の切手保存のためのノウハウ
切手の価値を長く保つためには、保管方法が非常に重要だといえます。
ここでは、気温や湿度の管理方法や、保存用具の選び方、そして定期的なメンテナンスの重要性について、わかりやすく解説します。
すでに販売が終了している1000円切手だけでなく、今販売してる切手も将来希少価値が上がり、プレミア切手になるかもしれません。
正しい保管方法を知り、将来への準備をしておきましょう。
湿度・温度の適切な管理方法
切手の保存において、湿度と温度は注意が必要です。
まず湿度が高過ぎると、カビや変色の原因となります。
一方、乾燥し過ぎると、紙が劣化し、切手が破れやすくなることもあります。
これを保つためには、防湿庫などに湿度管理がしやすいケースなどに保管するとよいでしょう。
温度も同様、高温は切手の劣化を早めます。
15〜25℃の範囲内での保存し、特に夏の暑い日の直射日光は切手の色を褪せさせる原因となるため、窓際での保管は避けてください。
切手の保管は、暗い場所や直射日光の当たらない場所での保存が理想的です。
保存用具の選び方
切手の保存に関して、使用する保存用具の選び方も非常に重要です。
切手の保管におすすめなアイテムを紹介します。
- ストックブック
- チケットホルダー
- プラスチックケース
- 空き缶
- チャック付きポリ袋
切手の保存用具としては、切手収集用の専用ストックブックが一般的です。
切手をページごとに差し込めるだけでなく、各切手の出し入れがしやすいため、保管が簡単にできます。
また切手をきれいな状態に保ちたいのであればマウントの使用もオススメです。
2枚重ねのフィルムで、間に切手を挟み込み保存します。
ストックブックなどにマウントを貼り付け保管しておくと紛失を防げるでしょう。
定期的なメンテナンス
切手の長期保存は、ただ保存するだけではなく、定期的なメンテナンスを行う必要があります。
保存環境や使用する用具がどれほど適切であっても、経年劣化や意図せぬダメージが切手に生じる可能性はゼロではありません。
最低でも半年に1回は、アルバムや保存袋から切手を取り出して、状態をチェックしましょう。
色褪せや変色、湿気によるカビや劣化を注意深く観察し、購入時と変わらない状態で維持し続けることが大切です。
まとめ
1000円切手の買取で額面以上の価格がつくケースは珍しいものの、1975年に発行された吉祥天立像の1000円切手で、良好な保管状態にあれば、額面を上回る買取額になることも考えられます。
また、1000円切手は現在発行されていないため、将来的に買取額が上昇する可能性があります。
そのため、記事内で紹介した保存のノウハウを活用し、切手をきれいな状態で保管しましょう。