金を売るときには、いかに相場の動きを把握しているかが重要です。
皆さまのなかには「金を売りたいけど、今が売り時なのか分からない」といったお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、金の純度別・買取相場や、買取相場と買取価格に差が生じる理由について解説します。
金を売ろうかお悩み中の方はぜひ参考にしてみてください。
金の純度別買取相場
金の買取相場は、買取業者により異なります。
ここでは8月29日時点での、金の純度別の買取価格についてご紹介しますので、売却前の参考にしてみてください。
金の純度別買取相場一覧
金の純度 | 参考買取価格 |
インゴット | 9886円 |
K24 | 9877円 |
K22 | 9058円 |
K21.6 | 8893円 |
K20 | 8276円 |
K18 | 7609円 |
K14 | 5654円 |
K10 | 4003円 |
K9 | 3529円 |
K18WG | 7720円 |
K14WG | 5723円 |
流通している金は、さまざまな加工をされているものがほとんどです。
金の純度によって、価値が変わりますので、お手元の金がどの純度に当てはまるのか、買い取り前に把握しておきましょう。
K24とは
K24とは純金のことで、99.99%以上の純度のものを純金と表記しています。
純金は、柔らかく、変形・傷のつきやすさが目立ちますが、その一方で酸化や変色しにくいのが特徴です。
主にインゴットや金貨に使われることが多く、現物投資として流通しているものが多くなります。
K22とは
K22は、金を91.6%含有している金属のことです。
K24以下は、銀や銅、パラジウム、ニッケルなどを混ぜて、強度を出して加工しています。
K22は、強度のある金属で合金していますが、少量のため硬度は高くありません。
純度の高い金は万年筆に使われているケースも多く、インクによる腐食に影響しないため高級品として流通しています。
K20とは
K20は、金を83%含有している金属のことです。
金の美しさと丈夫さを兼ね備えていて、加工に優れています。
最近では、K20の製品は多く流通していませんが、輸入品のジュエリーなどで使われている印象です。
K18とは
K18は、金を75%含有している金属のことで、ジュエリーに多く使われています。
適度に強度があり変形しにくい上、金の柔軟性と美しさが楽しめるでしょう。
華奢なネックレスやリングのほか、石を留める小さい爪の加工も可能です。
K14とは
K14は、58.5%の金を含有している金属のことです。
金の含有量が少なく、金製品の中では比較的安価に手に入れることができます。
ただ、K14以下だと、銀、銅、ニッケル、パラジウムなどの含有量が多くなるため、金属アレルギーへの影響が懸念されるでしょう。
K10とは
K10は、42%の金を含有しています。
半分以上がほかの金属のため、変色などの可能性があるでしょう。
金の色合いも薄く、輝きが弱くなりますが、派手過ぎず肌なじみがよいので、カジュアルに金を楽しめます。
ジュエリーや、ネクタイピンなど幅広く流通している金属です。
金の買取相場が変動する要因とは
金の相場は、株などと比較すると安定しているものの、さまざまな要因で日々変動しています。
金の相場に影響を与えるのは、どのようなポイントがあるのかを把握して、買い取りのタイミングの参考にしてください。
供給量
金は人工では作れないため、供給可能量が限られているのが現実です。
金は人類の文明が始まった当初から、価値のあるものとして扱われ、その歴史はなんと紀元前6000年から始まっているとされています。
今まで採掘してきた金の量は、約18万トンを超え、現在地球上で採掘可能な金の量は約5万トンしか残っておらず、現在の採掘量で換算すると、10年程度で枯渇すると予測されています。
そのため、需要が高まり続けている中、供給が減れば、必然的に価格は高騰すると考えられます。
しかし、現代の技術では採掘できない、深海などの採掘が可能になれば、供給できる量に変化がある可能性もあるでしょう。
消費量
金はジュエリーや、投資として買われているだけでなく、生活に欠かせない商品に使われているのをご存じでしょうか。
それは、スマートフォンやパソコンなどの精密機器です。
金は電気を通しやすく、酸化や劣化がしにくいため、機械には欠かせない素材となっています。
今後もデジタル機器や、電気自動車の流通が増えれば、さらに工業用としての需要が高まっていくでしょう。
金利
金は、金利の影響を受けませんが、国債や預金などは、金利が上がると利息で利益を得られます。
そのため、金利が下がると、安定した資産である金を保有して、資産防衛を図る方が増えるので、金に人気が集まるのです。
金利が高くなれば、金利で利益がでる投資の需要が高まり、一転して金を手放す方が増えます。
金は分散投資の一部に組み込まれることが多く、ほかの資産形成とのバランスを取るために、売り買いされるケースも多いでしょう。
投資関係
金の価格変動には、投資の動きも関係しています。
特に金の先物取引は、金相場にも影響することがあるため、把握しておくのがおすすめです。
先物取引では、先に金額を決めて、後から現物の受け渡しをします。
契約時の価格で取引できるため、現物を受け取るときに価格が上昇していれば、その分利益になります。
先物取引では、レバレッジという、借り入れを利用して収益を高めることも可能で、多額の金額で取引されるのが特徴です。
そのため、大きな機関が金の売買をすると、金の相場に思わぬ影響が出ることも考えられます。
国際情勢の変化や金融不安
金の買取相場の変動には、世界情勢や金融不安が大きく影響しています。
紛争やテロなどが起きると、その国の信用が下がり通貨の価値も落ちていき、株式相場にも悪影響を与え、経済的に悪化していくというのが一連の流れです。
金は、比較的安定した価値があるため、株や現金の価値が低下すると、資産を守るために金の需要が高まります。
また、金融不安も金相場に影響を与える要因です。
過去には、サブプライムローン問題や、リーマンショックといった、世界的な金融問題の際も、金の価格が上昇しました。
株の価値がなくなったり、現金が紙切れになってしまったり、というリスクを軽減するために、金を保有する方が増える傾向があります。
金の買取相場と実際の買取価格に差が生じるのは何故?
金の相場を調べてみると、買取相場と、買取価格に差があることに気が付いた方も多いのではないでしょうか。
価格の差の原因は、為替と手数料にあります。
ここでは為替や手数料が金の相場に与える影響について解説します。
為替相場が影響するため
金の買取相場と実際の買取価格に差が出るのは、為替相場が影響するためです。
一般的にアメリカドルで取引される金は、日本では円に換算する必要があるので、円安や円高の影響で価格が変動します。
場合によっては、金の価格が下落しているときでも、円安が加速していれば、利益が出ることもあるでしょう。
円安でドル高のときの方が、高く売れるため、円安のタイミングで金を売却するのが利益を出すポイントの一つです。
逆に、金を買いたいときは、円高の方がお得に購入できます。
買取先ごとに手数料が異なるため
買取業者によって、金の価格が違うのは、手数料による差があるためです。
買取業者も慈善事業ではないので、全く利益を取らずに買い取ることはありません。
買取後、さらに金専門の買取業者に売って利益を出したり、再加工したりなど、経費分の手数料を取って利益を出しています。
手数料は、金の買取金額から差し引かれる形で算出されるため、手数料が高額になるほど金の買取価格は安くなるでしょう。
まとめ
金買取の際にはお手持ちの金の純度や、相場の確認が重要となります。
純度によって買取価格が異なるため、お手持ちの金の純度を刻印で確認してみてください。
また、「金は相場の高いときに売る」という鉄則があります。
価値が変動する要因を把握できれば、今後の相場の動きを、ある程度予想できるでしょう。
さらに相場についての知識があれば、悪徳な買取業者にだまされる心配もなくなります。
金の買い取りをお考えの方は、適切な知識を持って、さまざまな業者をチェックしながら選んでみてください。