よくわかる!着物買取のお役たち情報
高価買取出来る着物の特徴について
着物の買取価格は、主に種類・素材・保存状態によって決まります。
ただ、買取価格が特に高額となりやすいのは、
・有名産地で生産された伝統工芸品の着物
・人間国宝や有名作家によって作られた着物
この2つです。
まずは、この2つについて解説してから、高価買取が期待できる種類・素材・保存状態について解説します。
伝統工芸品・有名作家によって作られた着物
「手元にある着物が伝統工芸品もしくは、有名作家によって作られたものかもしれないけれど、どうやって判別すれば良いのかわからない」
という方もいらっしゃるでしょう。
その場合、証紙や落款があればすぐに判別できます。
証紙とは、着物のギャランティカードのようなものです。生産地や製作者、伝統工芸品マークといわれる日の丸のデザインなどが記載されており、その着物の価値を証明してくれます。ものによっては、製作途中で余った布の切れ端に書かれていることもあります。
一方で、落款とは作者の名前を記した押印や刺繍であり、着物のおくみか衿先に刻印されていることが一般的です。人間国宝や有名作家によって作られたものであることが、一目でわかります。
このように、証紙か落款のついている着物であれば、特に買取価格が高額になりやすいです。
種類
着物にはいくつかの種類があります。大まかに分けると、以下の7つです。
・訪問着
・黒留袖
・色留袖
・振袖
・色無地
・小紋
・付け下げ
この中で第一礼装、すなわち最も格式高い着物が、黒留袖・色留袖・振袖です。また、使用頻度の最も多い着物が、結婚式からお茶会まで幅広いシーンで着用できる訪問着です。これらの格式高く、使用頻度が多い着物は、その需要の高さから、買取価格が高くなりやすいでしょう。
素材
着物の主な素材は以下です。
・正絹(シルク)
・木綿
・麻
・ウール
・化学繊維(ポリエステル)
この中で、最も価値が高いとされているのは正絹です。正絹の着物であれば、比較的高額な買取価格をつけてもらえるでしょう。
一方で、ウールや化学繊維は素材そのものが安価であることから、着物の元々の価格も安いことが多く、高価買取を望むのは難しい素材です。
保存状態
保存状態は、もちろん良ければ良いほど買取価格は高くなります。しかし「保存状態が良い」といわれても、具体的にはどういった状態を指すのかわかりにくいでしょう。
そこで、以下の「保存状態が悪い」要素を挙げます。これらが該当しなければ「保存状態が良い」といえるので、チェックしてみてください。
・汚れている
・シミがある
・傷んでいる
・シワがついている
・カビが生えている
・虫食いがある
・香水やタバコなどのにおいがついている
なお、汚れやシミに関しては、目につかない場所であれば査定価格に響かないこともあるので、実際に着たときの場所も併せて確認しましょう。
買取相場について
着物は、種類やブランドによって買取価格が大きく異なります。また、素材や保存状態によっても価格が上下するため、以下では「素材が正絹」で「保存状態が良い」場合の買取相場を紹介します。
着物の種類別買取相場
訪問着 〜30,000円
黒留袖 〜20,000円
色留袖 〜50,000円
振袖 〜40,000円
色無地 〜20,000円
小紋 〜5,000円
付け下げ 〜10,000円
以上が、着物の種類別の買取相場ですが、なぜ同じ着物でも買取相場が大きく異なるのでしょうか。まずは着物について、それぞれ簡単に解説します。
訪問着は、フォーマルな場からカジュアルな場まで幅広く着用できる、使用頻度の多い着物です。
黒留袖、色留袖、振袖はどれも女性の第一礼装(色留袖に関しては五つ紋のもののみ)ですが、黒留袖は既婚女性のみ、振袖は未婚女性のみ、色留袖は既婚未婚を問わず着用できるという違いがあります。第一礼装とはすなわち、着物の中で最も格が高いということです。
色無地は、その名の通り無地の着物ですが、幅広いシーンで着用が可能です。着物の色や帯によって、それぞれ適している場が異なるとされています。
小紋はカジュアルな場に適しており、普段着として着用される着物です。
付け下げは、訪問着と同様に幅広いシーンで着用できますが、格としては訪問着に準ずるとされています。
このように、使用頻度の多い訪問着や、晴れの日に好んで着られる格式高い留袖や振袖は、買取価格が高くなる傾向があります。
一方で、カジュアル寄りの着物である小紋や、訪問着に準じる格で柄も少なめの付け下げは、買取価格が他の着物より下がりがちです。
それぞれの着物の特徴を踏まえた上で、買取相場を見れば、その価格の違いにも納得がいくのではないでしょうか。
伝統工芸品の着物の買取相場
友禅 〜200,000円
紬 〜200,000円
上布 〜100,000円
友禅は、加賀友禅や京友禅が有名です。華やかな色彩と柄が特徴ですが、産地によって、その特徴がかなり異なります。
紬は、大島紬や結城紬が有名で、独特の光沢が特徴です。
上布は、沖縄県宮古島発祥の宮古上布が有名です。麻で作られており、通気性が良いことから夏に好んで着られてきました。
いずれも伝統工芸品であるため、買取価格の相場は他の着物よりも遥かに高くなる傾向にあります。特に、上述した有名な産地のものであればかなりの高価買取が望めます。
さらに、伝統工芸品に加え、人間国宝や有名作家によって作られた着物であれば、買取価格は数十万円を優に超えることもあるでしょう。
これまで、具体的な買取価格の相場を紹介しましたが、着物の状態や買取業者によって価格は大きく異なるため、あくまでも参考程度に留めておくことが大切です。自分の持っている着物がどれくらいの価格になるのか気になるのであれば、まずは気軽に査定してもらうと良いでしょう。
買取方法(出張、宅配、店舗)について
着物買取は、一般的に以下の3つの方法があります。
・店舗での買取
・出張買取
・宅配買取
それぞれにメリット・デメリットがあり、人によって最適な買取方法は異なります。詳しく解説しますので、ぜひ買取方法選びの参考にしてください。
店舗での買取
売りたい着物を直接店舗に持ち込んで買取してもらう方法です。
メリット
・自分の好きなタイミングで買取をおこなえる
・価格交渉がしやすい
・店舗や店員の雰囲気がわかって安心できる
・10分程度で完了することもある
デメリット
・着物を持っていく手間がかかる
・店舗が遠い場合は利用しづらい
・店舗に行くための交通費がかかる
・店舗の営業日・営業時間内におこなう必要がある
店舗に直接持ち込んでの取引となるため、コミュニケーションが取りやすいことや、手続きがスムーズという点がメリットです。一方で、店舗まで着物を持っていったり、営業日・営業時間に合わせなければならなかったりと、負担は多めになります。
出張買取
買取業者を自宅に招いて着物を買取してもらう方法です。
メリット
・着物を運んだり、梱包したりする手間がない
・予定していたもの以外の査定もしてもらえる
・価格交渉がしやすい
・クーリング・オフの対象になる
デメリット
・他人を自宅に入れる必要がある
・事前に予約を取り、買取業者のスケジュールに合わせなければいけない
・査定結果に不満があっても断りにくい
・トラブルが起きやすい
自分でしなければならないことがないため、最も負担が少ない買取方法です。また、クーリング・オフが適用されるため、8日以内であれば、後から買取価格に不満を持ってもキャンセルできます。しかし、出張買取では「押し買いされた」「貴金属やブランド品はないかと聞かれて、売るつもりではなかったものを売却させられてしまった」など、トラブルの発生する事例が他の方法よりも多いです。
宅配買取
売りたい着物を梱包し、買取業者に送って買取してもらう方法です。
メリット
・他人と顔を合わさずに済む
・プライバシーを守れる
・自分の好きなタイミングで買取をおこなえる
・店舗が近くになくても買取をおこなえる
デメリット
・価格交渉がしづらい
・梱包の手間がかかる
・代金が手に入るまで時間がかかる
・買取業者とコミュニケーションが取れない
基本的に、梱包して送るだけなので、他人と顔を合わせたり、コミュニケーションをとったりする必要がなく、気楽におこなえる買取方法です。ただ、それゆえに価格交渉はしづらいです。また、荷物が届いてからの査定となるため、代金がすぐには手に入らないことがデメリットでしょう。
買取業者の選び方について
満足のいく着物買取を実現するためには、買取業者の選定に失敗しないことが最も重要となります。しかし、買取業者の選定といっても具体的にどのようなポイントを見て選べば良いのか、ピンと来ない方も多いのではないでしょうか。
そこで、着物買取において、買取業者を選ぶ際に基準としたいポイントを具体的に解説します。
着物買取を専門としている
「何でも買い取る」と謳っている買取業者やリサイクルショップではなく、着物を専門としている買取業者を選びましょう。
着物を専門としている買取業者には、着物専門の査定士がおり、専門的な観点から着物を査定してくれます。
「何でも買い取る」買取業者には、着物専門の査定士がいないことも多く、その場合、着物の価値を正しく判断することができません。そのため、不当な価格をつけられてしまうこともあるのです。
店舗を全国展開している大手の買取業者
店舗を全国展開しているような大手の買取業者は、その分、販路も広く持っています。したがって、需要が多い販路への販売が見込めるため、買取価格を高くできるのです。
着物市場を自社で運営している
一般的に、買取業者は個人から着物を買取してから、他社が運営する着物市場に出品して利益を得ます。そのため、着物市場に出品するための手数料が必要となり、手数料分の金額は買取価格から差し引かなければなりません。
しかし、自社で着物市場を運営している買取業者であれば、出品手数料をかけずに販売ができるため、より高い価格で買取できるのです。
買取実績が豊富
買取実績が豊富ということは、その買取業者を利用した顧客が多いということです。また、買取実績を見れば、実際に取引された着物と金額がわかり、自身の着物買取にも活かせるかもしれません。
買取実績は、買取業者のホームページなどで見られるため、確認しておきましょう。
評判が良い
Google MapやSNSなどで、買取業者の評判を見ておきましょう。
ポジティブな口コミが多ければ、その買取業者と取引して満足した人が多いということです。反対に、ネガティブな口コミが多かったり、不安になるような口コミが複数書かれていたりする場合は、その買取業者は避けた方が無難です。
店員や査定士の対応が良い
これは、実際に店舗に来店したり、出張で査定してもらったりした際にしかわかりませんが、店員や査定士の対応の良さも重要です。
対応に満足できると、買取自体への満足度の向上にも繋がるため、実際に査定を依頼した際は気に留めておきましょう。
買取の際のコツ・ポイントについて
買取の際、高価買取のために押さえておきたいコツ・ポイントがいくつかあります。
買取してもらう前に確認し、入念に準備しておきましょう。
証紙があったら一緒に査定に出す
証紙には、生産地や製作者、伝統工芸品マークなどが記載されており、その着物の価値を証明してくれます。もちろん、着物専門の査定士であれば、証紙がなくても価値はわかりますが、あれば価値の証明は確実になります。人間国宝によって作られた伝統工芸品とわかれば、数十万円の価格をつけてもらえることもあるため、証紙があれば必ず一緒に査定に出しましょう。
帯や和装小物を一緒に査定に出す
帯や和装小物は、それ単体では買取してもらえないことがあります。また、ブランド物であっても、一点のみでは高価格をつけてもらえることはほとんどありません。
しかし、着物と一式で買取してもらうことによって、その分の買取価格が上乗せされます。さらに、帯や和装小物それぞれに、単体で買取してもらうよりも高い価格がつきます。
クリーニングには出さない
着物を一度クリーニングに出してから査定してもらった方が高い価格で買い取ってもらえる、と考える方は多いかもしれません。
しかしそれは誤りで、実際にはたとえ買取価格がアップしても、クリーニング代を差し引くと赤字になってしまい、割に合わないことがほとんどです。
しまってあった状態のまま、査定に出しましょう。
複数の買取業者に査定を依頼する
着物を売る際は、最初から一つの買取業者に決めるのではなく、複数の買取業者に査定してもらいましょう。
これは、最も高い価格をつけた買取業者に売るためでもありますが、他にもいくつか理由があります。
まず、一つの買取業者に絞ってしまうと、本来よりも遥かに低い価格をつけられていも、そうと気づけないことがあります。買取業者の中には、着物専門の査定士がいない業者や悪質業者もいます。リスクを必ず避けるために、複数の買取業者に査定を依頼することは大切です。
次に、着物専門の買取業者でも、各々が持っている販路は異なります。そのため、買い取る着物の需要が非常に多い販路を持っていれば、その分買取価格を上げられますし、一方で、需要が多い販路がなければ、買取価格は上げにくくなるのです。販路は買取業者の情報を調べてもわからない部分なので、実際に査定に出して価格をつけてもらわなければ、買取価格を高くしてもらえるかどうかわかりません。
以上が、複数の買取業者に査定を依頼すべき理由です。
買取の際の注意点について
着物買取において、残念ながらトラブルが発生した事例は少なくありません。
しかし、そのトラブルを未然に防いだり、適切な対処によって損をせずに済ませたりすることは可能です。
もう着ないとはいえ、大切な着物の買取で失敗したくはありません。以下で、着物買取の際の注意点と、トラブルを未然に防ぐ方法について解説します。
着物の知識や買取相場、買取業者の情報などの下調べを入念にしておく
売ろうとしている着物がどういった着物なのか、買取相場はどれくらいなのか、売ろうと考えている買取業者の情報や評判はどうなのか、などを調べてから買取に臨みましょう。
着物の知識や買取相場を知っておけば、不適正な価格をつけられても気づくことができます。また、買取業者が信頼に足りそうな業者なのかを調べておけば、安心して買取を依頼できるでしょう。下調べは、自身の心を強く持つためにも重要です。
よくあるトラブルと対処法を知っておく
よくあるトラブルと対処法を知っておけば、万が一トラブルが発生しても適切に対応できます。
「着物買取 トラブル」で検索すると、実際にあったトラブルやその対処法が数多く書かれています。また、SNSにもそういった体験談は多く投稿されており、温度感や具体的な対応がわかるため、調べておくことがおすすめです。
手数料を確認しておく
下記の手続きに手数料がかかるのか、前もって確認しておきましょう。
・査定
・買取
・出張
・宅配の返品時
査定してもらったが、価格に不満があり断ったという場合「断るなら査定手数料がかかる」と言われることがあります。しかし、前もって、手数料はどの場合でもかからないことを証明できる情報を控えておけば、毅然とした態度で拒否できるでしょう。手数料の有無は、ホームページを見たり、事前に買取業者に問い合わせたりして、確認しておきましょう。
買取価格に不満があったら売らない
査定価格が思ったよりも安く、不満を持つこともあるでしょう。ただ「せっかく査定してもらったのに」という罪悪感や言いづらさから、断れずそのまま売ってしまう方は多いです。
しかし、不満があるまま売ってしまえば後悔することは間違いありません。「他の買取業者ならもっと高く買い取ってくれたのでは」と思っても、後の祭りです。
査定価格が思ったより安く不満を感じたら、買取は一旦断りましょう。他の買取業者ならより高い価格をつけてくれるかもしれませんし、どの買取業者でも満足いく価格をつけてもらえなければ、そのまま持ち続けるという選択肢もとれます。
後悔しないことが最も大切です。