「ロレックスのサンダーバードが欲しいけれど、廃盤になっていて相場が読めない」「手元のモデルが昔いくらだったのか、今はどれくらいの価値があるのか知りたい」
現在、ロレックスの通称「サンダーバード(デイトジャスト ターンオーグラフ)」は、その希少性と歴史的背景から、中古市場で熱い視線を集めています。
かつては「知る人ぞ知る名機」という位置付けでしたが、近年ではサブマリーナーなどのスポーツモデルの源流としての価値が再評価され、価格も上昇傾向にあります。しかし、生産終了から時間が経過しているため、正確な情報やモデルごとの違いが分かりにくくなっているのも事実です。
この記事では、サンダーバードの誕生秘話から、歴代モデルのスペック比較、当時の定価と現在の市場価格、そしてコレクター垂涎のレア文字盤まで、その全貌を徹底解説します。
最後までお読みいただければ、サンダーバードの真の価値を理解し、購入や売却において後悔のない判断ができるようになるはずです。
ロレックスの「サンダーバード」とは?
歴史と誕生秘話:回転ベゼルのパイオニア
「サンダーバード」という名称は、ロレックスのカタログに掲載されている正式名称ではありません。正式には「デイトジャスト ターンオーグラフ(Datejust Turn-O-Graph)」と呼ばれるモデルです。
その歴史は非常に古く、サブマリーナーが登場する1953年よりも前、「ターンオーグラフ(Ref. 6202)」として誕生しました。これはロレックスが初めて量産化した「回転ベゼル搭載モデル」であり、後のサブマリーナーやGMTマスターといったスポーツモデルの礎(いしずえ)となった歴史的傑作です。
愛称の由来は、アメリカ空軍のアクロバット飛行チーム「サンダーバーズ」にあります。1950年代後半、ドン・フェリス大尉をはじめとする隊員たちがこの時計を愛用していたことから、ロレックスはチームへの公式供給を開始。「サンダーバード」の愛称で北米市場を中心に大々的にプロモーションが行われ、その名が世界中に定着しました。
特徴や魅力:ドレスとスポーツの融合
サンダーバード最大の特徴は、エレガントなドレスウォッチである「デイトジャスト」に、スポーティーな「両方向回転ベゼル」を組み合わせた独自のスタイルです。
- 機能美: 回転ベゼルを使って経過時間を計測できる実用性を持ちながら、ダイバーズウォッチほど武骨すぎない、洗練されたデザイン。
- シーンレス: スーツスタイルには程よいアクセントとなり、カジュアルな装いにはクラス感を与える、オンオフ問わず使える万能性。
- 希少性: 通常のデイトジャストに比べて生産数が圧倒的に少なく、他人と被りにくい。
このように、ドレスの気品とツールの機能を兼ね備えた「ハイブリッド・モデル」であることが、長年にわたり愛好家を魅了し続けている理由です。
ロレックス サンダーバードの現在価格一覧
サンダーバードは2013年頃に生産が終了しており、現在は正規店で新品を購入することはできません。そのため「定価」は存在しませんが、参考として2025年時点での「中古販売価格帯」を比較してご紹介します。
多くのモデルで、プレミア価格がついていることが分かります。
| モデル(Ref.) | 製造期間 | 素材 | 2025年の中古販売価格目安 |
| Ref. 16264 | 1988年-2004年 | SS × WGベゼル | ¥929,250円 〜 ¥1,312,500円 |
| Ref. 16263 | 1988年-2004年 | SS × YGベゼル | ¥1,047,900円〜 ¥1,595,000円 |
| Ref. 116264 | 2004年-2013年 | SS × WGベゼル | ¥979,999円〜 ¥1,588,000円 |
| Ref. 116261 | 2004年-2013年 | SS × PGベゼル | ¥1,472,900円 〜 ¥1,583,934円 |
| Ref. 116263 | 2004年-2013年 | SS × YGベゼル | ¥1,417,280円 〜 ¥2,970,000円 |
- SS: ステンレススチール
- WG: ホワイトゴールド
- YG: イエローゴールド
- PG: ピンクゴールド
- 価格は状態や付属品の有無、文字盤の種類により大きく変動します。あくまで目安としてご覧ください。
サンダーバードの価格高騰はなぜ起きている?今後の傾向は?
かつては50万円前後で購入できたサンダーバードですが、現在は100万円を超える相場で取引されています。なぜ、これほどまでに価値が上昇しているのでしょうか。主な理由は以下の3点です。
1. 「生産終了」による絶対的な希少化
ロレックスの相場において「廃盤(ディスコン)」は最大の価格上昇要因です。サンダーバードは2011年に生産を終了して以降、後継モデルが登場していません。
市場に存在する個体数は減る一方であり、状態の良い個体を求めるコレクターが増えれば増えるほど、需給バランスにより価格が押し上げられています。
2. 歴史的価値の再評価
近年、ヴィンテージロレックスの研究が進み、サンダーバードが「サブマリーナーの祖」であるという歴史的事実が広く認知されるようになりました。
単なる「デイトジャストの派生」ではなく、ロレックスのスポーツウォッチ史における「失われた環(ミッシング・リンク)」としての重要性が再評価されたことで、投資対象としても注目されるようになっています。
3. 世界的なインフレと為替の影響
原材料費の高騰や職人の人件費上昇により、現行ロレックスの定価が繰り返し値上げされています。これに連動する形で、過去のモデルの中古相場も底上げされています。さらに、円安の影響で海外バイヤーによる買い付けが活発化しており、国内在庫の価格も世界基準(ドルベース)に合わせて上昇しています。
今後の傾向:
生産終了から10年以上が経過し、良質な個体は枯渇しつつあります。今後大きく値下がりする要因は見当たらず、むしろ年々緩やかに、あるいは特定のレア個体を中心に急激に上昇していく可能性が高いでしょう。
サンダーバードの素材と文字盤バリエーション
サンダーバードを選ぶ楽しみの一つが、その多彩なバリエーションです。特に文字盤の違いは市場価値に直結するため、必ず押さえておきたいポイントです。
素材について
- SS×WGベゼル(Ref. 16264 / 116264):
最も人気のある組み合わせ。ケースはステンレスですが、回転ベゼル部分に貴金属であるホワイトゴールドを使用しています。一見するとオールステンレスに見えますが、WG特有の鋭い輝きがあり、ビジネスシーンでも使いやすい「いぶし銀」な魅力があります。 - コンビモデル(Ref. 16263 / 116263など):
イエローゴールドやピンクゴールドをベゼルとブレス中央に使用したモデル。華やかさがあり、ラグジュアリーな雰囲気を好む方に選ばれています。海外市場での人気も高い仕様です。
人気の文字盤(ダイアル)バリエーション
サンダーバードには、通常モデルにはない特殊な文字盤が存在し、これらは買取・販売ともに高値がつきます。
- タペストリーダイアル:
縦縞のエンボス加工が施された文字盤。光の当たり方で陰影が生まれ、スーツの生地のような重厚感があります。特にRef. 16264のブラックタペストリーやシルバータペストリーは絶大な人気を誇ります。 - バックリーダイアル:
ローマ数字のインデックスが立体的ではなく、プリント(印字)で描かれたタイプ。クラシックで知的な印象を与え、ヴィンテージ愛好家の間で近年急速に評価が高まっています。 - リネンダイアル:
麻布のようなテクスチャーを金属で表現した文字盤。非常に細かな加工技術が必要で、光を柔らかく反射します。経年変化による味わいも魅力です。 - 日本限定「緑針」(Ref. 116263):
2011年頃に国内正規店のみで販売。秒針・デイト・ロゴが赤からグリーンに変更された特別仕様です。白・黒各300本の計600本のみ。製造自体は2004〜05年頃ですが、2011年に日本限定で放出されたという特殊な経緯を持ち、2025年現在も極めて高いプレミア価格で取引されています。
サンダーバードの中古相場と買取事情
購入だけでなく、手持ちのサンダーバードの売却を検討している方のために、現在の市場動向を解説します。
中古販売価格の目安
- 5桁リファレンス(Ref. 16264等): 90万円 〜 150万円
ヴィンテージ感を楽しめる世代。状態が良いものは100万円を軽く超えます。 - 6桁リファレンス(Ref. 116264等): 90万円〜300万円
高級感のある最終世代。ブレスレットなどの造りがしっかりしており、実用時計としての評価も高いです。
買取相場の目安(リセールバリュー)
ロレックスはリセールバリューが非常に高いブランドですが、サンダーバードも例外ではありません。
- 一般的な買取掛け率: 販売価格の約70%〜80%程度
- Ref. 16264の買取目安: 50万円〜80万円
- Ref. 116264の買取目安: 80万円〜95万円
- ※状態、付属品完備、時期により変動します。
高く売るためのコツ
- 回転ベゼルの状態を維持する: サンダーバードの命であるベゼルの「山」が潰れていると査定額が下がります。過度な研磨は避けましょう。
- 余りコマを揃える: 特に旧型ブレスは調整域が狭いため、コマが足りないと販売しづらく、減額対象となります。
- 歴史的価値の分かる店へ: 一般的なリサイクル店ではなく、サンダーバードの希少性や文字盤の違い(タペストリーなど)を正しく評価できる、時計専門の買取店を選ぶことが重要です。
失敗しない購入方法は?(中古市場の活用と選び方)
サンダーバードは中古市場でしか手に入りませんが、購入時にはいくつか注意すべきポイントがあります。
1. 「5桁」か「6桁」か、世代を決める
購入の最初のステップは、好みの世代を決めることです。
- 5桁(Ref. 16264): 「渋さ」を重視するならこちら。ヘアライン仕上げのラグ、軽量なブレスレット、エンジンターンド調のベゼルが特徴。ヴィンテージの雰囲気があります。
- 6桁(Ref. 116264): 「高級感」を重視するならこちら。ポリッシュ仕上げのラグ、重厚な無垢ブレスレット、キラキラと輝くフルーテッド形状のベゼル、そして赤針のアクセントが特徴です。
2. 状態確認のチェックポイント
- ベゼルの摩耗: 何度も言うようですが、ベゼルの数字や刻みが摩耗して丸くなっていないかを確認してください。
- ブレスレットの伸び: 特に5桁モデルのジュビリーブレスは、経年劣化でダレが出やすいです。時計を横に持った時に、ブレスが垂れ下がりすぎていないかチェックしましょう。
- 夜光塗料: 古いモデルの場合、夜光がトリチウムかルミノバかを確認しましょう。トリチウムが変色してクリーム色になっているものは、ヴィンテージとしての価値が高まります。
3. 信頼できる店舗の活用
ネットオークションやフリマアプリは、改造品(ベゼルだけ交換したものなど)や状態の悪い個体を掴むリスクがあるため、初心者にはおすすめできません。
「保証期間」を設けている時計専門店や、メンテナンス工房を持つ大手ブランドショップ(ギャラリーレア、クォーク、コメ兵など)で購入するのが、長い目で見れば最も安心で賢い選択です。
まとめ
ロレックス サンダーバードについて解説しました。要点は以下の通りです。
- 歴史的傑作: 回転ベゼルのパイオニアであり、スポーツモデルの始祖という重要な価値を持つ。
- 価格上昇中: 廃盤モデルであるため、年々希少性が高まり、当時の定価を大きく超えるプレミア価格で取引されている。
- 選び方の鍵: 素材だけでなく、タペストリーなどの「文字盤」や、5桁・6桁という「世代」の違いが価値を左右する。
- 資産価値: リセールバリューも高く、適切な状態で保有すれば将来的な資産としても期待できる。
サンダーバードは、単なる高級時計という枠を超え、ロレックスの挑戦の歴史を腕元で感じられる特別なモデルです。
「人と被らないロレックスが欲しい」「歴史的な背景のある時計を身に着けたい」と考える方にとって、これ以上ない選択肢と言えるでしょう。市場から良質な個体が姿を消してしまう前に、ぜひ運命の一本を探してみてはいかがでしょうか。また、お手元にサンダーバードをお持ちの方は、今が売却のベストタイミングかもしれません。まずは無料査定で現在の価値を確認してみてください。