ブランド品には偽物の存在がつきものです。偽ブランド品の流通はあとを絶たず、2023年に全国の税関が差しどめした偽ブランド品は3万件以上にのぼると報告されています。私たちはこの偽ブランド品に惑わされることなく、正規の商品を見極め、正しい対処をしていく必要があります。今回は偽物の時計について、買取に関しての注意点や見分ける方法、偽物時計の対処方法などについて解説していきます。
偽物の買取はできるのか
そもそも、偽物の時計の買取はできるのでしょうか。
結論は「NO」です。
ブランド品には「商標権」があります。これは事業者が自己の取り扱う商品やサービスを他人のものと区別するために使用するマークのことです。この商標権を持つことで自社の商品を独占的に使用することが可能になります。そのため、偽物の売買は禁じられており、買取をすることはできません。
現在、精巧に作られたコピー品が多く、買取に来た時に気づくお客様もいらっしゃいます。時計買取業者は、偽物と判断した時点でその時計を買い取ることはできず、お客様に返却しなければいけません。
買取に出した時計が偽物だったら罪に問われるの?
商標権を侵害する偽物の時計ですが、その偽物を買取依頼することは違法なのでしょうか。
これも結論から申し上げると「違法ではありません」
では、なぜ違法にならないのでしょうか。理由は以下の通りです。
- 偽物のクオリティーが高く素人には判断する術がないため
- 偽物を買取依頼しても買取が成立しなければ大きな問題にならないため
買取依頼をして初めて偽物だと気づく人もいるでしょう。それほど現在のコピー品は完成度が高く、見分けがつきません。偽物だとわかった時計は返却されるので大きな問題にもなりません。
しかし、以下の場合には罪に問われることもあるので注意しましょう。
偽物と知りつつ買取依頼をする
先ほど、偽物を買取依頼しても罪には問われないと述べましたが、偽物を「偽物と知った上で」買取店に持ち込んだ場合は詐欺罪や商標権の侵害に問われることがあります。買取店に持ち込んだ回数や店数が多い場合は悪質なケースとして重い罪に問われる可能性があるので注意しましょう。
ヤフオクやメルカリに偽物を出品する
買い取ってもらえないのなら、ヤフオクかメルカリで売ろう!これもNGです。
偽物を買取依頼することは問題ではありませんが、個人売買となるヤフオクやメルカリでは偽物と知っている、知らないに関わらず出品するだけで違法になってしまいます。これは出品者が「商品を売る人」になってしまうため、違法な売買と認定されてしまうからです。
偽物の見分け方
では、偽物は買取店に行かないとわからないのでしょうか。
そんなことはありません。ここからは、家でも判別することができる偽物の見分け方を紹介していきます。
ダイヤルの仕上げ
偽物の時計のダイヤルは細かい部分の仕上げにムラがあり、雑になっているものがあります。本物の時計では針やインデックス、ブランドロゴなどの繊細な部分まで丁寧に作られています。刻印の文字が薄かったり、バランスが悪い時には偽物の可能性があるので注意しましょう。
シリアルナンバーの有無
時計にはそれぞれの個体を示すシリアルナンバーが記載されている商品が多く、偽物の時計にはそれがなかったり、デタラメな番号が記載されていることがあります。シリアルナンバーの多くは裏蓋やラグの裏側にあり、それを確認することで判別することができます。
ケース・ブレスレットの形状・素材
本物の時計と偽物の時計では、ケース・ブレスレットの形状や素材が異なります。大きな違いとして肌触りや着脱のしやすさなどが挙げられ、本物は肌触りの良い素材を使用していたり、面どりがしっかりとされているため肌に触れても痛くないように工夫されています。しかし、偽物にはそのような施しはないため、触った時に、チクチクしたり痛かったりします。
風防はガラス製かプラスチック製か
現在の時計はサファイアクリスタルガラスというガラス風防を採用しています。そのため、プラスチック製の風防を使用している時計は偽物の可能性が高いです。ただ、アンティーク時計はプラスチック製の風防を採用しているものもあるため、注意が必要です。
秒針の動き、音、日付の変わり方など
時計動力源であるムーブメントも重要な判断ポイントです。時計に搭載されているムーブメントと実際に搭載されているムーブメントが合っているかを確認しましょう。
ここまで見分け方を解説してきましたが、何度も述べたように現在の偽物はとても精巧に作られているため、素人が見分けるのは至難の業です。わからないときは買取店に依頼して鑑定してもらうことを強く勧めます。
偽物を買わないためには
偽物はまず買わないことが一番です。ここでは偽物を買わないために注意することを解説していきます。
ブランド正規店で購入する
一番安全な方法です。正規店で偽物を得ることはまずないため本物を確実に購入したいときは正規店で購入するようにしましょう。また、正規店で購入した際には保証書がついてきます。ブランド品の時計を売ることになった際には保証書を一緒に売ることでより高価で買取してもらうことができます。
市場価格に比べて大幅に安く売られているものは疑う
欲しい時計があったときは複数のサイトで調べて、相場がどれくらいかを把握しましょう。その上で購入したい商品との値段を差を比べ、何の理由もなく相場より安い時計は偽物の可能性があります。
画像検索で買いたい時計と同じ画像が見つからなければ購入しない
サイトなどで欲しい時計が見つかったら、Googleなどの検索サイトで同じ画像があるか調べてみましょう。ない場合は同じモデルがないということで偽物の可能性が高いです。
箱・保証書などに惑わされない
保証書がついている時計は高価に買い取ってくれますが、保証書や箱がついているからといって安心してはいけません。現在の偽物には保証書もコピーされたものも出回っているため注意が必要です。これに関してはプロの鑑定士が見れば一目でわかる粗悪品ばかりなため、本物の箱や保証書などを画像で検索し、見比べてみるとわかりやすいでしょう。
怪しい商品は時計に詳しい人に聞く
インターネットでの購入は偽物が販売されているというマイナスの面があると思われがちですが、一方で時計に詳しい人が簡単に集まり、意見を聞くことができるというプラスの面もあります。SNSや時計愛好家が集まるコミュニティで、怪しいと思う時計の画像などを貼って、聞いてみると有益な情報が得られることもあります。
オークションサイト・フリマアプリは使わない
偽物の時計はオークションサイトやフリマアプリなどでも多く出回っています。このようなところで購入してもプラットフォーム側は対応してくれません。一方的に購入側が損をする形になってしまいます。そのため、お買い得な時計を見つけてもオークションサイトやフリマアプリでの購入はせず、信頼できる店舗での購入を検討しましょう。
ブランド時計を安全かつ安く買う方法
ブランド時計を安全に、しかも安く買えたらいいですよね。
その方法として以下の2つがおすすめです。
中古品を購入する
中古品は、高級ブランド時計をお得に購入することができます。時計を専門に扱っている店舗では外装研磨や機械点検を徹底しているため、中古は汚いというイメージとは異なる、状態の良い時計も入手できるでしょう。
中古時計のメリットは、生産が終了になった廃盤製品であっても購入できることにあります。正規店では購入できない時計を入手できるため、時計の選択肢も広がります。一方デメリットは、時計の状態やアフターサービスなど、店舗によって差があるため、購入する店舗は慎重に選ぶ必要がある点です。
並行輸入品を購入する
並行輸入品は、メーカーと代理店契約を結ばず、海外の正規店や中間卸売業者から商品を買い付けて販売されているものです。正規品とは違い、メーカーと販売店契約を結んでいるわけではないため、定価販売の義務がなく、自由な価格設定ができます。そのため新品であるにも関わらず、定価よりも安く購入することができるのです。これが並行輸入品の大きなメリットです。デメリットとしては、店舗によってサービスの品質に差があることです。そのため、優良な並行輸入店を見極めることが重要です。また、一部のブランドでは並行輸入品の修理を制限するといった「並行差別」を行っているところもあります。そのため、独自のアフターケアを行っている並行輸入店を選ぶようにしましょう。
また、並行輸入店と言っても、さまざまな店舗があるため優良な店舗を見極める必要があります。優良な店舗には、次のような特徴があります。
実績のある老舗店
実績のある老舗店舗は、信頼できる輸入元とのコネクションを築く必要があります。そのため、流通経路の信頼性が高くレアモデルが入荷する可能性があるなど、他店にはない魅力があります。
実店舗がある
実物を手にとって見られる実店舗があるのも重要なポイントです。近年ではオンライン専門店も増えましたが、信頼感という点では実店舗が圧倒的と言えるでしょう。
独自のアフターサービスがある
時計は購入して終わりではなく、オーバーホールや電池交換なども必要です。優良な並行輸入店では、独自のアフターサービスをつけることで、こうしたメンテナンスにも対応しています。
まとめ
高級時計には偽物の時計が多く存在しますが、偽物の時計は買い取ってくれません。本物に似せたスーパーコピーと呼ばれる偽物もありますが、本物の画像と比べると違いは一目瞭然です。
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