世界にはさまざまなデザインや素材の外国切手が存在します。
高く買取される切手も少なくありません。
ここでは、外国切手の国別の相場や高く買取される切手の特徴を解説します。
気になる切手があれば、高く売るコツも紹介するので参考にしてください。
外国(海外)切手とは
外国切手とは、日本以外で発行された各国の郵便制度に基づいて発行された切手です。
郵便物を運ぶ郵送料としての役割だけでなく、発行した国独自のデザインやテーマに沿ってさまざまなものを表現しています。
発行された年代からデザインの変遷を眺めれば、国の社会情勢や歴史、文化も窺える切手は、歴史的価値やデザインの美しさ、珍しさからコレクションしている方も少なくありません。
風景や人物などの絵柄や国、素材別とラインナップも豊富です。
コレクターだけでなく、文化や歴史を反映した美術品としての側面もあるため、芸術家など多方面にも人気があります。
外国(海外)切手の買取相場
国によってさまざまな違いがある外国切手は、歴史的価値や希少性など複数の要因が重なって高額買取されている場合が少なくありません。
押さえておくべき買取相場を国別にみていきましょう。
イギリス切手の買取相場
1840年に発行された世界で最初の切手である、黒を基調とした若きヴィクトリア女王の肖像画「ペニーブラック」は1万5,000円〜30万円ほどで高価買取されている切手です。
初の郵便切手である歴史的価値から注目されています。
黒インクの消印で判別がしづらく不正利用も多かった切手のため、同じ図案で赤を貴重とした「ペニーレッド」も発行されました。
世界で二番目に発行された鮮やかなブルーが印象的なペンスブルーは、使用頻度が低く発行枚数が非常に少ないため、2万円〜10万円で取引されています。
他にも、イギリスに領有されていた現在のモーリシャス共和国で1847年に発行されたブルーモーリシャスは希少性が高くエラーもあり、買取価格は1億円以上とされる切手としても有名です。
アイルランド切手の買取相場
イギリスの植民地だったアイルランドが、独立を果たした1922年ごろに発行された初期の切手は、1万円以上の買取が期待できるものもあります。
当時はイギリス切手が流通しており、独自で発行した切手も数は多くありませんでした。
そのため、数も少なく価値が高くなります。
アメリカ切手の買取相場
切手の発行枚数や種類、量が多い国はアメリカです。
普通郵便切手以外に記念切手も発行しています。
買取価格が2,500万円で落札されたとされる1918年に発行された航空切手「逆さまジョニー」は、上下逆さまに図案が印刷されたエラー切手として有名です。
他にも、空港切手として発行されたツェッペリンは、~2万5,000円ほどで買取される可能性があります。
3種類を各100万枚発行しましたが、当時の売れ残りは全て破棄されたため、現存数は少ないとされている希少価値の高い切手です。
中国切手の買取相場
中国は1966年〜1976年にあった文化大革命で切手の収集・国外への輸出が禁止されていた背景もあり、高額買取になりやすい傾向があります。
8万円〜15万円ほどで高額で取引されるのは、1980年に年賀切手として発行された「赤猿切手」です。
表面に薄く施された金粉が美しい赤背景と可愛らしい猿が描かれています。
1953年発行の軍人切手(空軍)は10万円〜20万円、1979年発行「少年たちよ子供の時から科学を愛そう」は一式10万円〜18万円の高額買取が期待できるでしょう。
特に1968年発行「全国の山河は赤一色」は、オークションなどで縦長は4,000万円で横長は9,000万円の値段が見込まれます。
中国国土を前に並んでいる人々が描かれているデザインですが、台湾の色が塗られていないことが発覚し、販売開始後わずか半日で販売中止になったエピソードのある切手です。
韓国切手の買取相場
1,200万円ほどの価値が見込まれるのは、シートのまま現存されている1955年に発行された数少ない「産業図案切手」です。
他にも朝鮮戦争後の韓国で、1950年代に発行された記念切手「産業復興切手」の波型の透かしがあるバラ切手であれば1万円、4種類あれば5万円ほどで買取されます。
ドイツ切手の買取相場
ドイツ切手は、歴史が大きく動いた第二次世界大戦中に発行されたものは希少性が高く、高価買取が期待できます。
ドイツ切手は音楽家の肖像画、車、絵本童話のクラシックなデザインが特徴です。
「白雪姫」や「赤ずきん」などで有名な「グリム童話シリーズ」は、セットであれば100円〜200円で取引されています。
ドイツゆかりの音楽家を集めた「音楽家シリーズ」ではベートーベンやワーグナーなど有名な音楽作家5名を集めた小型シートやワーグナー没後50年の記念切手なども魅力的です。
鮮やかな色合いの切手も多く、金額よりもデザイン性でコレクションしている方も少なくありません。
買取価格が高い外国(海外)切手の特徴
買取価格が高い外国切手の特徴は、大きく分けて3つです。
存在する数は少ないですが、持っていたら高く買取される見込みがあります。
特徴をチェックしていきましょう。
現存数が少ない切手
イベントやトラブルによって一時的に発行されたものは発行枚数自体が少なく、現存数も少ない傾向です。
ただし、発行数が多くとも、世界情勢や政治的な理由にて破棄されている切手も少なくありません。
建国直後や郵便事業創設など歴史的背景が加われば、付加価値がつくためより高く買取される可能性があります。
エラー切手
通常の切手とは違い、不良品が取り除かれずに世の中で出回っている切手をエラー切手といいます。
いくつかパターンがあり、「目打ちエラー」「用紙エラー」「図案ミス」などが有名です。
目打ちとは、切手を切り離しやすいように囲っているミシン目のことです。
目打ちし始めた当初は、目打ちのつけ忘れやずれなどのトラブルが発生していました。
流通数も少ないことから、エラー切手は希少とされています。
ミスプリントが生じている外国(海外)切手
ミスプリントは流通前に破棄されることから、高価買取が期待できるでしょう。
「彩色エラー」「逆さプリント」「オフセンター」などがあります。
ミスプリントで有名なのは、1シートだけ逆さに印刷されたアメリカの「逆さまジェニー」です。
他にも、切手の絵柄が端にずれているものや図案とは違う色で印刷されてしまった切手などが存在します。
外国(海外)切手を高く売るコツ
外国切手は数も多く、特殊な切手も多いため、値段がつかない切手もあります。
そんな中でも、外国切手を高く買取するコツをご紹介します。
傷みやすい環境で保管しない
湿気が多く直射日光が当たる環境は劣化が早まる原因となるので、ストックブックなどに保管するようにしましょう。
汚れたり濡れたりして糊が外れている場合は、価値が下がってしまう可能性があります。
未使用品や備品であれば高価買取される傾向です。傷や折れにも気をつけながら、保管をしてください。
シートから切り離さずに売る
切手はバラよりもシートが高く売れます。
現在持っている状態がシートのままならば、切り離さないようにしましょう。
1枚でもシートから切り離されているとシートとしての価値がなくなります。
売却するときは、そのままの状態で持って行くのがおすすめです。
まとめて売る
売りたい切手が他にもあればまとめて売りましょう。
1枚ずつ買取店へ売るよりも、高く買取されやすくなります。
ただし、大量のバラ切手がある場合は、金額や年代、国別で仕分けをしておくと査定のときに便利です。
絵柄やテーマごとに仕分けておくと絵柄別で集めている切手コレクターに人気があるため、買取価格が高くなる可能性もあります。
まとめ
外国切手は時代背景や現存数など複数の要因が重なり、価値が決まります。
珍しいものほど高額で買取されるため、心当たりのある切手を見かけたら買取相場をチェックしてみましょう。
それでも相場がわからない場合は、価値を知るためにプロに一度査定してもらうのもおすすめです。
ぜひ査定を申し込んでみてください。