ブランド品を購入したとき、保証書(ギャランティカード)がついてくることがありますが、この保証書の意味や役割をご存じでしょうか。
ブランド品の買取において、保証書は重大な役割を果たします。それこそ、あるのとないのでは大違いです。
購入したとき、「売るつもりはないし必要ないか」と保証書を捨てたり、保管を疎かにして紛失したりする方もいるでしょう。しかし、いざという時のために保証書は必ず保管しておくべきといえます。
この記事では、保証書の意味や影響、さらに、ブランド買取において保証書がないとどうなるのかについて、詳しく解説します。
ブランド品の保証書の意味とは?詳しく解説!
この項では、保証書とは何なのか、保証書がついてくる条件について解説します。
今まで「保証書」だと思っていたものが実は違うものだったり、逆にただの紙だと思っていたものが保証書だったりということもあるかもしれないので確認してみましょう。
また、保証書がついてくる条件を満たしていても保証書がついてこない場合もあるため、ぜひご覧ください。
保証書とは?
ブランド品の保証書は、そのブランド品が「正規のルートで販売されたもの」である証拠です。保証書には、「購入者情報」「購入日」「購入店舗」「ブランド品本体の型番やシリアルナンバー」などが記載されています。
保証書とひとまとめにいっても、ブランドによって保証書の形式はさまざまです。例えば、シャネルの保証書は小さな黒いプラスチックカードです(2021年以降は保証書の発行が廃止されました)。他には、ロレックスの保証書は2006年頃までは紙の保証書でしたが、それ以降は緑色のプラスチックカードに変わりました。
保証書には、偽造防止のためさまざまな工夫がされています。例えば、シャネルの保証書にブラックライトを当てると、特定の行が光ります。この行も、偽造防止の観点からすべての保証書で一律ではありません。ロレックスの現在の保証書も、裏面にブラックライトを当てると特徴的な文様が浮かび上がるという偽造対策がされています。
保証書と間違われやすいのが、メンバーズカードやレシートです。それらも保管しておきたい物品ではあるものの、価値は大きく異なります。保証書には、購入したブランド品が正規品であると証明するための型番やシリアルナンバーが記載されているという明確な特徴があります。
保証書がついてくる条件とは?
保証書は、「正規のルートで販売されたもの」にしか付与されません。そのため、偽物はもちろん、たとえ本物であろうと正規のルートで販売されたものではない並行輸入品にも保証書はつきません。一般的に、ブランドの正規店でブランド品を購入した際についてきます。
ただし、そもそも保証書を発行していないというブランドもあります。その場合、正規店で購入したとしても保証書はついてきません。
「なぜ高級ブランドなのに保証書がつかないの?」と思われる方もいるでしょう。その理由としては、保証書以外に偽造対策を施していることや、より高度な偽造対策に切り替えたことが挙げられます。
例えばエルメスは、すべての商品に独自の刻印を施しています。その刻印から、製造年や製造元、職人名などがわかるようになっているのです。また、ルイ・ヴィトンは、以前から保証書を発行しておらず、ブランド品そのものに型番やシリアルナンバーの刻印を施していました。しかし、2021年以降は型番やシリアルナンバーの刻印をやめ、ICチップを埋め込むことで商品を管理しています。さらに、シャネルは元々保証書を発行していたものの、2021年以降発行をやめ、商品に型番やシリアルナンバーが刻印された金属のプレートをつけるようになりました。
このように、保証書を発行せずとも偽造対策ができていたり、保証書よりも偽造対策として優れた方法を用いたりしているブランドも多く存在します。
参考までに、ギャランティカードを発行しているブランドと発行していないブランドを紹介します。
ギャランティカードを発行しているブランド(2024年現在)
・ロレックス
・オメガ
・ブルガリ
・カルティエ
・ディオール
・クロエ など
ギャランティカードを発行していないブランド(2024年現在)
・エルメス
・ルイ・ヴィトン
・シャネル(2021年以降発行を廃止)
・グッチ
・コーチ
・ティファニー など
ブランド品の保証書がもつ効果とは!?
ブランド品の保証書がどういったものなのかを解説してきました。それでは、保証書はいったいどんな効果があるのでしょうか。
保証書は単なる購入履歴書ではありません。そのブランド品が正規品であることを証明するだけでなく、思わぬところで役に立つことがあります。 この項では、ブランド品の保証書がもつ効果を解説します。
アフターサポートで役に立つ!
高級なブランド品とはいえ、愛用していれば壊れてしまうこともあります。また、長く使いたいのであれば定期的なメンテナンスが必要になるでしょう。
保証書があれば、ブランドの直営店で修理を受けることができます。直営店ではない修理専門店でも修理してもらうことは可能ですが、直営店での修理には、
・保証期間内なら無料であることが多い
・パーツが壊れてしまっても、ブランドオリジナルのパーツと交換してもらえるため壊れる前の状態に戻してもらえる
以上のようなメリットがあります。
何より、ブランド直営店で修理してもらう方が安心できるでしょう。
保証書があれば、修理やメンテナンスなど、直営店からの手厚いアフターサポートが受けられます。一方で、並行輸入品などで、保証書を発行しているブランドにもかかわらず保証書がない場合、たとえ本物であってもアフターサポートを断られてしまう可能性があるのです。
買取してもらう時役に立つ!
保証書があると、ブランド品を買取してもらうときに非常に役立ちます。
前述の通り、保証書はそのブランド品が正規のルートで販売された本物であるという証明です。買取業者は、ブランド品の買取査定をおこなう際、真贋について入念に調べますが、保証書があれば疑う余地もありません。
また、買取業者が中古品としてそのブランド品を売るときにも、保証書があれば高い需要が見込めます。保証書がないと、消費者は「もしかしたら偽物かもしれない」と疑いますが、保証書があることでそういった懸念もなくなり、本物だと信じて購入できるのです。加えて、ブランド品がまだ保証期間内である場合、保証書があれば次の持ち主も保証を利用できます。ブランドによっては最初の購入者しか保証を対応していないところもありますが、そうでない場合は「保証期間内である」というポイントも、需要を高める一因となるのです。
こういった理由で、保証書があれば買取業者はブランド品が本物だと確信でき、買取価格を高くつけられます。売る側にとって有利な買取を実現できるのです。
ブランド買取で保証書がないとどうなる?ないときの対応も解説!
保証書を捨ててしまった、紛失してしまったという方もいるのではないでしょうか。
「保証書がないと、買取してもらえない」
そう不安になるかもしれませんが、保証書がないからといって買取してもらえないということはほとんどありませんし、高価買取も可能です。
この項では、保証書がない場合のリスクの他にも、買取査定に出す前にできること、高価買取が可能である理由について解説します。
買取業者によっては買取価格が下がる
ブランド品を専門としており、これまで数々の実績がある買取業者であれば、保証書がなくとも真贋を見分けられるため買取してもらうことは可能です。ただし、買取価格は保証書がある場合よりも下がることが多いといえるでしょう。 上述の通り、保証書があればブランド品が次に販売される際、より高い需要が見込めます。保証書がついていれば消費者も本物だと信じることができますし、保証期間内であれば直営店のアフターサポートが受けられる場合もあるからです。それを踏まえた上で買取業者は買取価格をつけるため、保証書がないとどうしても価格が下がりがちなのです。
他の付属品を探そう
保証書がないからといって、高価買取を諦めるべきではありません。買取価格をアップするには、いくつもの方法があります。
そのうちの一つが、「他の付属品を一緒に査定に出す」ことです。
他の付属品とは、例えばブランドバッグでは、外箱や保存袋、ストラップ、レシートなどです。また、ブランド時計では、外箱や内箱、余りコマ、取扱説明書などが挙げられます。こういった付属品を一緒に査定に出すことで、その分買取価格が上乗せされたり、本物だと証明する材料になったりします。
購入時についてきたものはなるべくすべて揃えて、査定に出しましょう。
保証書がなくても高価買取は可能!
保証書がなくても、ブランド品の高価買取は可能です。ブランド品を高価買取してもらうために最も重要なのが、「複数の買取業者に査定を依頼する」ことです。
中には、「保証書がないなら買取できない」と断る買取業者もあるでしょう。しかし、大手のブランド品買取業者の多くが、保証書なしでもブランド品を買取してくれます。
当然のことながら、買取業者によって買取価格は異なります。保証書がないというそれだけの理由で買取価格を大幅に下げるところもあれば、幅広い販路を持ち、高く売れるという強い自信を持っているために、高額な価格をつけてくれるところもあります。 持っているブランド品を高く買い取ってくれるかそうでないかは、インターネットや口コミなどで調べるだけでは確実には判断できません。そのため、複数の買取業者に直接査定を依頼することが、高価買取のためには大切なポイントなのです。
まとめ
この記事では、ブランド品の保証書について、保証書とは何なのかというところから保証書があることで享受できるメリット、保証書がない場合の対処法まで解説しました。
保証書の一番の特徴は、「ブランド品本体の型番やシリアルナンバー」が記載されていることです。これがあることによって、そのブランド品が正規のルートで販売された本物であるという証明ができます。
保証書は必ず大切に保管しておきたい物品です。保証書があれば、ブランドの正規店からの手厚いアフターサポートを受けられますし、買取の際にも高額な価格をつけてもらいやすくなります。
しかし、もし保証書を紛失してしまったという場合でも、高価買取が不可能なわけではありません。他の付属品を一緒に査定に出したり、複数の買取業者に査定を依頼したりすることで、より高額な価格で買い取ってもらうことが可能になります。
また、「保証書がない」と焦ってしまっても、もしかしたらそもそも保証書が発行されなかったというケースもあります。有名ブランドにも保証書を発行していないところは多く、また保証書の発行を廃止したブランドもあります。 お手元のブランド品の保証書がどこに保管されているのか、そもそも発行されているのか否か、ぜひ一度確認してみてください。