タイガの歴史
ルイ・ヴィトンのタイガは、1993年に登場したメンズラインです。1854年の創業から100年以上経過してからの、初のメンズラインでした。その名前はロシア語の「タイガ」から来ており、シベリア地方の針葉樹林を指します。
それまで、ルイ・ヴィトンは男性向けのアイテムこそ度々発売していたものの、メインターゲットを男性としたデザインを発表してはいませんでした。そこでタイガが発表されたことは、ルイ・ヴィトンが男性の支持も強く獲得する契機となったのです。
シックなデザインが特徴で、細かな型押しと落ち着いた色調、控えめなブランドロゴはプライベートだけでなくビジネスシーンでも活躍します。そのため、特に高級志向のビジネスマンに愛されているモデルです。また、高い年齢層の男性へのプレゼントとしても選ばれることが多くあります。
さらに、今やタイガを愛するのは男性だけにとどまりません。女性の社会進出が進んだ現在、タイガはビジネスウーマンとして活躍する女性にも強い支持を得ています。メンズラインではありますが、現在は性別問わず多くの人々、特にビジネスパーソンに人気なラインです。
アイテムに着目すると、タイガではビジネスバッグや財布、パスケース、キーケースなど、ビジネスシーンで活躍するアイテムが多数展開されています。
カラーにも注目してみましょう。発売初期のカラーバリエーションはアルドワーズ(チャコールグレー)、グリズリ(焦茶)、エセピア(深緑)、アカジュー(赤茶)の4色でしたが、エセピアとアカジューは現在廃盤となっています。現在では、ノワール(黒)がもっとも人気なカラーでラインナップも豊富です。
タイガのカラーバリエーションはシックで彩度の低い色が多く、またルイ・ヴィトンを象徴するブランドロゴをアレンジしたデザインや市松模様が施されていません。そのため、主張は控えめながらも高級感のあるアイテムとして、持ち主のコーディネートをワンランクアップしてくれるでしょう。
タイガのラインナップ
シックなデザインでビジネスマンに愛されるタイガですが、タイガには「タイガ・ストライプ」「タイガ・ラマ」「タイガ・レインボー」の3つの派生ラインがあります。
タイガ・ストライプは、タイガレザーに太いストライプをデザインしたシティユースなタイガです。ただ、現在は廃盤となっています。新品で手に入れるのは難しいですが、中古品であれば特に財布が多く出品されており、手に入れやすいでしょう。
タイガ・ラマは、2019年に発表された派生ラインです。デザイン自体は2016年に発表されたメンズラインのモノグラム・エクリプスに似ており、ルイ・ヴィトンを象徴する「L」と「V」を組み合わせたマークと花、星の図柄が散りばめられています。モノグラム・エクリプスとまったく異なるのが素材で、タイガ・ラマはタイガのもっとも大きな特徴の一つである牛革の型押しが用いられています。そのため、デザイン自体はモノグラム・エクリプスと似ているものの、塩化ビニールを使用しているモノグラム・エクリプスよりも見た目と触り心地ともに高級感が強いといえるでしょう。
タイガ・レインボーは、タイガ・ラマと同じく2019年に発売された派生ラインです。一番の特徴はレインボーの柄で、例えばレインボーの「×」が大きく施されているバッグや、四隅を沿うようにレインボーの「□」が施されたポーチなどがあります。そのレインボーカラーには、ダイバーシティ(多様性)の意味合いが込められています。
ビジネスバッグ
ルイ・ヴィトンの主張は控えめでありながらも、高級感があり、さらに使いやすいのがタイガのビジネスバッグです。バッグの隅や金具には、ルイ・ヴィトンを象徴する「L」と「V」を組み合わせたマークがさりげなく刻印されています。
バックパック
リュック派のビジネスマンにおすすめなのがタイガのバックパックです。ビジネスバッグ同様シックなタイガのバックパックは、デザインや素材だけでなく収納にも気を配っており、収納は大容量。バックパック内に小ポケットも完備されています。
財布
タイガの財布は、ノワール(黒)やグレー、ブルーなど、好みや使いたいシーンに合わせたカラーが選びやすいです。「L」と「V」を組み合わせたマークの刻印も、財布と同色で目立たないように施されているものもあれば、シルバーの金具で目立つように施されているものもあります。タイガ・ラマなら、タイガよりもさらに豊富なカラーかつルイ・ヴィトンを象徴する柄が刻まれた高級かつ華やかな財布を選べるため、プライベートでも大活躍でしょう。
カードケース
タイガのアイテムは、高級感と使いやすさを両立しているのが特徴の一つ。ICカードやクレジットカードなどは使用頻度が多く、それゆえにカードケースの耐久性は気になるところですが、タイガの素材は高い耐久性と傷が付いても目立たないことから、普段使いにも最適でしょう。ポケットの数も多く、財布としても使うことができます。
タイガの高価買取のコツ
ルイ・ヴィトンのタイガでは、シックで落ち着いたカラーのアイテムが高価買取されやすいですが、特にノワールのアイテムは使いやすさやその人気の高さから査定額が高くなりやすいです。
他に、タイガの高価買取のポイントをいくつか紹介します。
- 付属品を一緒に査定に出す
- 付属品とは、ギャランティカードや外箱、キーホルダー、購入時の紙袋などです。購入した際に付属していたものは、可能な限りそろえて査定に出しましょう。付属品があることで、本物のタイガ・アイテムであることを証明でき、高価買取につながります。
- 簡単な清掃を行う
- 品物がきれいな状態であればあるほど、買取価格は高くなります。外側は軽く拭き、バッグや財布の中もほこりやゴミが残っていないよう清掃しましょう。また、においが付いているとマイナスになるため、陰干ししたり消臭剤を軽く吹きかけたりして可能な限り無臭にしましょう。
- 時季を見計らう
- ブランド品はボーナスが出る夏・冬前や、進学・就職といったイベントがある時季に需要が高まります。需要が高まるタイミングで売却することで、高価買取が期待できるでしょう。
また、円安も買取価格が上昇するタイミングです。
- ブランド品はボーナスが出る夏・冬前や、進学・就職といったイベントがある時季に需要が高まります。需要が高まるタイミングで売却することで、高価買取が期待できるでしょう。
タイガの豆知識
タイガに込められた意味
タイガとは、ロシア語で「シベリア地方の針葉樹林」を意味します。ルイ・ヴィトン初のメンズラインであるタイガですが、その名前には極寒の地で生き残る力強さと生命力の高さが込められているようです。ルイ・ヴィトンのブランドを前面に押し出さないシックさと、牛革の型押しゆえの耐久力が、その名を表しているといえるでしょう。
タイガのカラーバリエーション
タイガには、ノワール(黒)、グリ(灰色)など豊富なカラーバリエーションがありますが、1993年から2010年までに登場したカラーの名前が北極圏にまつわるものであることをご存じでしょうか。
アルドワーズ(チャコールグレー):北方伝統色の青灰色
グリズリ(焦茶):肉食の大型獣
エセピア(深緑):マツ科の樹木
アカジュー(赤茶):樹木の一種
ボレアル(紺):北極圏
グラシエ(灰):氷河
ポレール(ベージュ):北極星
現在は、単にフランス語読みのカラーネームで展開されていますが、アルドワーズやグリズリは現行カラーです。廃盤カラーでも、中古品であればまだまだ流通しているものが多くあります。手元にあるタイガや新たに手に入れようとしているタイガのカラーに目を向けて、込められた意味を想像してみるのも趣があるでしょう。
エピとの違い
タイガと並ぶルイ・ヴィトンのメンズラインといえばエピですが、上質な牛革を使用しておりシックなデザインであることが共通している一方で、大きな違いがあります。
まずは牛革の型押し模様です。針葉樹林の意味を持つタイガは縦横にきめ細やかな型押しが施されていますが、麦穂の名を冠するエピは風になびく麦穂をその型押しに表し、横方向に優雅な線が施されています。
また質感にも違いがあります。ツヤがあり、型押しの凹凸がはっきりと感じられるエピに対し、マットな質感を持ち、平らで滑らかな手触りのタイガは、傷が付いても目立ちにくいという利点も持っているため、ビジネスマンにはより好まれる傾向があるといえるかもしれません。